瓶の中で歯車がカタカタ回る、手のひらの映写機「豆幻灯1.5」|ビー玉がレンズになる8コマのアニメ
ProtoPedia の作品「豆幻灯1.5」を2人のMCが初心者目線で紹介。100円ショップのガラス瓶の中で、LEDの光が絵のフィルムを通り、ビー玉のレンズで丸い窓に映る小さなアニメーション映写機です。約4cmに光の通り道を詰めた工夫、ゼネバ機構という歯車で絵をカクッとコマ送りする仕組みとカタカタという音、初代からの作り直し、錯覚の丸窓まで。Mouser Make Awards 2023 最優秀賞。
チャプター
0:00オープニング0:20手のひらに乗る、小さな映写機1:08光の通り道をたどる2:17絵が動いて見えるわけ3:49初代から、ver1.5へ5:05見た目への、こだわり5:54コンテストで最優秀賞7:03エンディング
文字起こし(67行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もProtoPediaから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、豆幻灯1.5。
- BANNO
- まめげんとう、と読むんですね。手のひらに、ガラスの瓶が乗っていますけど?
- HIGEDARUMA
- その瓶の中に、小さな映写機が丸ごと入っているんです。
- BANNO
- 映写機って、映画館で映像を映す、あの機械ですか?
- HIGEDARUMA
- そうです。底のスイッチを入れると、中の歯車がカタカタと回って、横の丸い窓にアニメが映るんです。
- BANNO
- しかも瓶が透明だから、動いている中身が全部見えるんですね。
- HIGEDARUMA
- まさにそこが、今日の見どころなんです。
- BANNO
- まず、どうやって窓に絵が映るんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- 光の通り道を、順番にたどりますね。まず、LEDというライトが光ります。
- HIGEDARUMA
- その光が、絵を印刷した透明なフィルムを通って、次にビー玉を通るんです。
- BANNO
- ビー玉?あの、遊ぶときのビー玉ですか?
- HIGEDARUMA
- はい。ビー玉は丸いガラスの玉なので、虫眼鏡と同じように光を曲げて集められるんです。
- HIGEDARUMA
- そのビー玉でピントを合わせて、本体の丸い窓に絵を映しているんですよ。
- BANNO
- 壁に映すプロジェクターとは違って、本体の窓がそのまま画面なんですね。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。そのために、ライトから窓までを、約4センチに詰め込んでいます。
- BANNO
- 4センチって、指2本ぶんくらいですよね。そんなに近くて、ちゃんと映るんですか?
- HIGEDARUMA
- 普通は距離が足りないんです。そこで作者は、大きめのLEDを、面で光るライトとして使って、距離を縮めたそうです。
- BANNO
- 部品の選び方ひとつで、ぐっと小さくできるんですね。
- BANNO
- でも、映すのは止まった絵ですよね。どうしてアニメになるんですか?
- HIGEDARUMA
- フィルムは丸い円盤で、ぐるっと一周に8コマの絵が並んでいるんです。
- BANNO
- パラパラ漫画の8枚を、丸く並べたようなものですね。
- HIGEDARUMA
- そうです。円盤を付け替えれば、別のアニメも楽しめるんですよ。
- BANNO
- じゃあ、その円盤をくるくる回せばいいんですか?
- HIGEDARUMA
- ところが、回しっぱなしだと、絵が流れてぼやけてしまうんです。
- HIGEDARUMA
- パラパラ漫画も、1枚ずつ止まって見えるから、動いて見えるんですよね。
- BANNO
- たしかに。じゃあ、1コマずつ止める仕掛けがあるんですか?
- HIGEDARUMA
- それが、ゼネバ機構という歯車です。回り続けるモーターの動きを、カクッ、カクッというコマ送りに変えるんです。
- HIGEDARUMA
- 昔の映画の映写機でも、フィルムを送るのに使われてきた仕組みなんですよ。
- BANNO
- あっ、カタカタという音は、その歯車の音なんですね。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。作者も、その心地よい音と、ビー玉が映す柔らかな映像を楽しんでほしい、と書いています。
- BANNO
- そもそも、どうしてこんな形にしたんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- 元になったのは、幻灯機という、絵に光を当てて映す昔の映写機です。
- HIGEDARUMA
- そこに、円盤の絵を回して動いて見せる昔のおもちゃの仕組みを足して、手のひらサイズにまとめたんです。
- BANNO
- 昔の道具を2つ組み合わせて、小さな宝物にしたんですね。
- BANNO
- 名前に1.5と付いていますけど、前のバージョンもあるんですか?
- HIGEDARUMA
- はい。初代の豆幻灯が2022年の11月に完成して、その約8か月後に、この1.5が完成しました。
- HIGEDARUMA
- 黒い枠の部品は、すべて設計し直したそうです。3Dプリンターで作った部品なんですよ。
- BANNO
- ほかには、どこが変わったんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- 大きいのはスイッチです。初代は、電源のスイッチと、速さを決める部品が別々でした。
- HIGEDARUMA
- 1.5では、スイッチ付きのボリュームのつまみを使って、オンオフと速さを1つにまとめたんです。
- BANNO
- 音量のつまみみたいに、回すとカチッと入って、さらに回すと速くなる感じですね。
- HIGEDARUMA
- そうです。ゆっくり回せば、歯車のコマ送りをじっくり眺められるんですよ。
- BANNO
- 電池は、どこに入っているんですか?
- HIGEDARUMA
- 台座の中です。電池の箱がスライドして出てくるんですが、1.5ではそこに蓋が付きました。
- HIGEDARUMA
- 工具なしで開けられて、どの角度から見てもスッキリするようにしたんです。
- BANNO
- 見せる作品だから、裏側まで手を抜かないんですね。
- BANNO
- 見た目もおしゃれですよね。このガラスの瓶は、特別なものなんですか?
- HIGEDARUMA
- 実は、100円ショップの調味料入れなんです。
- BANNO
- えっ、100円なんですか!全然そうは見えません。
- HIGEDARUMA
- フタの白いゴムのパッキンも、色をそろえるために、黒いゴムで同じ大きさのものを作って取り替えたそうです。
- BANNO
- 丸い窓の黒い筒は、ガラスに穴を開けて差し込んでいるんですか?
- HIGEDARUMA
- それが、錯覚なんです。ガラスの内側と外側から、ガラスに沿った形の部品を付けて、刺さっているように見せているんですよ。
- BANNO
- 穴を開けずに、見せ方で解決したんですね。うまい!
- HIGEDARUMA
- 銅色の細い線も、モーターやライトの配線なんです。線そのものを、飾りの一部にしているんですよ。
- BANNO
- この作品、コンテストで賞も取っているんですよね。
- HIGEDARUMA
- はい。Mouser Make Awards 2023で、最優秀賞に選ばれました。
- BANNO
- 審査員からは、どんな声があったんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- 本物の音と動きを、間近で見たいと思わせる作品で、いたるところにこだわりを感じた、と評されています。
- BANNO
- 作ったのは、工作記録帳さん。設計から、デザイン、制作まで、ひとりで手がけています。
- HIGEDARUMA
- 最終審査員の方は、音と動きを間近で見たいと思わせる作品で、いたるところにこだわりを感じた、と評しています。
- BANNO
- では、今日の一歩です。メモ帳の端に、少しずつ違う絵を8枚描いて、パラパラめくってみてください。
- HIGEDARUMA
- 絵が動き出したら、それが豆幻灯の中で起きていることなんです。1枚ずつ止まるから、動いて見えるんですよ。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、瓶の中で歯車がカタカタ回る手のひらの映写機、豆幻灯1.5でした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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