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見ても手は動いていないのに、言葉が選べる「ヨミトリ君4号機 指筆談(指談)のデバイス化技術による意思疎通支援装置」|数グラムの力で気持ちを伝える

紹介した作品: ヨミトリ君4号機 指筆談(指談)のデバイス化技術による意思疎通支援装置ProtoPedia での反響: 閲覧 4,600+ ・ ♥ 20

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ヨミトリ君4号機 指筆談(指談)のデバイス化技術による意思疎通支援装置

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    ProtoPedia の作品「ヨミトリ君4号機 指筆談(指談)のデバイス化技術による意思疎通支援装置」を2人のMCが初心者目線で紹介。体を動かせず声も出せない方が、介助者の手の感覚で指先の小さな動きを読み取ってもらう「指筆談(指談)」。その難しさと「本当に本人の言葉?」という不安に応えるため、透明な板に手を乗せて数グラムの力を込めるだけで、パソコンやタブレットの項目を選べる装置にしました。どの向きにも傾く台と重さを量るセンサー2つで力の向きを読む仕組み、360度見分けられるのにあえて4方向・2方向に絞った設計、音楽の先生とのセッションやゲームまで広がる使い方、1号機から号機を重ねてきた歩みまで。ヒーローズ・リーグ 2024 トライアルアンドエラー賞。

    チャプター

    文字起こし(84行)
    BANNO
    ゆっくりばんのです。
    HIGEDARUMA
    ゆっくりひげだるまです。
    BANNO
    今日もプロトペディアから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
    HIGEDARUMA
    今日紹介するのは、ヨミトリ君4号機 指筆談(指談)のデバイス化技術による意思疎通支援装置。
    BANNO
    ひげだるまさん、これ、パソコンの横にある黒い小さな箱が主役なんですか?
    HIGEDARUMA
    そうなんです。上の透明な板に手を乗せて、ほんの少し力を込めるだけで、画面の言葉を選べるんですよ。
    BANNO
    え、手を動かすんじゃなくて、力を込めるだけなんですか?
    HIGEDARUMA
    はい。紹介動画では、見ても手は動いていないのに、画面の項目がちゃんと選ばれていくんです。
    BANNO
    今日は、その見えない動きの正体と、作った人の思いを追っていきますね。
    BANNO
    まず、誰のための道具なのか、からお話ししますね。
    BANNO
    重い病気やけがで、体がほとんど動かせず、声も出せない方がいます。
    HIGEDARUMA
    意識ははっきりしていて、考えることもできる。でも、それを外に出す手段がない状態なんです。
    HIGEDARUMA
    閉じ込め症候群、とも呼ばれます。体の中に、気持ちが閉じ込められてしまう、というイメージですね。
    BANNO
    想像すると、本当にもどかしいですね。そういう方は、どうやって気持ちを伝えているんですか?
    HIGEDARUMA
    そのひとつが、指筆談です。指談とも呼ばれます。
    BANNO
    指で、筆談?紙に書くわけではないんですよね。
    HIGEDARUMA
    はい。介助する人が、ご本人の指先に、そっと手を添えるんです。
    HIGEDARUMA
    ご本人は、ひらがなを書くつもりで、指先に力を込めます。でも見た目には、ほとんど動いていません。
    BANNO
    えっ、見えないくらいの動きなんですか。
    HIGEDARUMA
    そうなんです。介助する人は、その小さな動きを自分の手の感覚で受け取って、一画ずつ、どの文字かを読み取るんですよ。
    BANNO
    すごい技ですね。でも、それって誰にでもできることなんでしょうか?
    HIGEDARUMA
    そこが課題なんです。読み取るには訓練が必要で、ご家族でもできる方は少ないそうです。
    BANNO
    しかも、間に介助者さんが入るわけですよね。
    BANNO
    ご家族からすると、これは本当に本人の言葉なのかな、って不安になることもありそうです。
    HIGEDARUMA
    まさに、作者さんもその声をよく聞いたそうです。作品の紹介ページには、こんな言葉があります。
    BANNO
    「当事者は話したいのに話せない、家族は聞きたいのに読み取れない、第三者を挟む会話は信用できない。」
    HIGEDARUMA
    この三つが重なると、ご本人は気持ちを伝える手段を失ってしまう。だから、指筆談を機械にしよう、と考えたんです。
    BANNO
    介助者さんの手の感覚を、機械に置きかえる。そうすれば、ご本人の操作として残るんですね。
    BANNO
    ひげだるまさん、使うときは、どうするんですか?
    HIGEDARUMA
    透明な板に、手のひらを乗せるだけです。乗せた手を、ずらす必要もありません。
    HIGEDARUMA
    あとは、前後左右のどれかに、ぐっと力を込める。指筆談で文字を書くときと同じ動きなんです。
    BANNO
    でも、手が動かないのに、どうやって向きが分かるんでしょう?
    HIGEDARUMA
    板の下には、自由雲台という部品があります。カメラの三脚の首のように、どの向きにも傾ける台なんです。
    HIGEDARUMA
    その台には、はかりの中身と同じ、重さを量るセンサーが2つつながっています。
    BANNO
    はかりが、2つ。
    HIGEDARUMA
    力を込めた向きによって、2つのはかりの数字の変わり方が違うんです。
    HIGEDARUMA
    その変わり方を比べて、前後左右のどちらに力を込めたのかを判断しているんですよ。
    BANNO
    板が目に見えるほど傾かなくても、はかりの数字にはちゃんと出る、ということですね。
    HIGEDARUMA
    そうです。必要な力の変化は、最小で数グラム。1円玉が1グラムなので、1円玉数枚ぶんなんです。
    BANNO
    1円玉数枚!ほとんど何も乗せていないくらいですね。
    HIGEDARUMA
    指筆談をしているとき、指先にかかる力の変化は5グラムくらいだそうです。だから、指筆談ができる方なら、この装置も使えるんです。
    BANNO
    指筆談の力に合わせて、感度を作っているんですね。
    HIGEDARUMA
    もうひとつ、面白い設計があるんです。この装置、本当は360度、どの向きでも見分けられるんですよ。
    BANNO
    でも、使うのは前後左右の4方向なんですよね?
    HIGEDARUMA
    はい。パソコンのアプリで、わざと4方向に絞っているんです。向きを絞ったほうが、操作しやすくなるからなんですね。
    HIGEDARUMA
    さらに、左右だけ、前後だけの、2方向に絞ったアプリもあります。ご本人の体の状態に合わせて選べるんです。
    BANNO
    できることを全部見せるより、使う人に合わせて引き算する。やさしい作りですね。
    HIGEDARUMA
    部品は、M5Stackという手のひらサイズの小さなコンピューターと、重さユニット。パソコンのアプリは、C#というプログラミング言語で作っています。
    BANNO
    特別な機械じゃなくて、市販の部品なんですね。
    HIGEDARUMA
    そうなんです。初代のヨミトリ君のページにも、M5Stackを使うことで安く組めた、と書かれているんですよ。
    BANNO
    実際には、画面でどんなことができるんですか?
    HIGEDARUMA
    たとえば、ボタンを選ぶと、登録した音や動画が流れるソフトがあります。この画面には、虫の名前のボタンが並んでいますね。
    BANNO
    アオマツムシ、ヒグラシ。聞きたい音を、自分で選べるんですね。
    HIGEDARUMA
    こちらは、言葉を組み立てるソフトです。まず、からだ、のような大きな分類を選んで、次に、指、のような言葉を選びます。
    BANNO
    画面に、さむい、指、と出ていますね。たった2つの言葉でも、ちゃんと伝わりますね。
    HIGEDARUMA
    ほかにも、ひらがなを選んで自由に文章を書くソフトや、楽器の演奏、ゲームもあります。iPadやAndroidのタブレットも操作できるんですよ。
    BANNO
    そして、実際に使っている場面も、動画に映っているんですよね。
    HIGEDARUMA
    はい。動画の字幕には、目視では手は動いていませんが、項目の選択を行うことができています、とあります。
    BANNO
    見えないほどの力が、ちゃんと画面に届いている。最初に言った見えない動きは、これだったんですね。
    HIGEDARUMA
    楽しい場面もあるんです。楽器演奏のアプリで、音楽の先生とコラボレーションしたり。
    HIGEDARUMA
    市販のパソコンゲームを操作して、ウォータースライダーのレースを楽しんだりもしています。
    BANNO
    伝えるだけじゃなくて、遊ぶ、奏でる。毎日の楽しみまで広がっているのが、うれしいですね。
    BANNO
    これを作ったのは、どんな方なんですか?
    HIGEDARUMA
    愛知情報教育支援協会の、ヨミトリ君プロジェクトです。お金もうけではない、非営利の活動として続けているんですよ。
    BANNO
    4号機、ということは、前にも作っていたんですね。
    HIGEDARUMA
    はい。初代は、決まった重さを超えたらスイッチが入る、という仕組みでした。10グラムほどの力で動いたそうです。
    HIGEDARUMA
    3号機で、指筆談の書く動きを読み取れるようになって、4号機ではそれを4方向に絞り、小さく、軽く、置きやすくしたんです。
    BANNO
    一度で完成ではなく、少しずつ良くしていったんですね。
    HIGEDARUMA
    しかも作者さんは、自分でも指筆談を練習して、介助者の方に教わり、ご本人やご家族に試してもらいながら、改良してきたそうです。
    BANNO
    使う人のそばで、一緒に作ってきたんですね。
    HIGEDARUMA
    作品の紹介ページには、一緒に取り組みできていることに感謝の思いで一杯です、という言葉もあるんですよ。
    BANNO
    この作品は、ヒーローズ・リーグ2024で、トライアルアンドエラー賞を受賞しています。
    HIGEDARUMA
    審査のコメントは、4号機まで続けて開発している時点で、この賞にぴったり。まさに試行錯誤の積み重ねですね。
    BANNO
    そして今は、機材の貸し出しや、出張しての支援もしているそうです。
    HIGEDARUMA
    協会のサイトによると、シリーズ全体で、合計60カ所以上、延べ250回以上も訪問しているんです。
    BANNO
    250回!それだけ多くの場所に、足を運んでいるんですね。
    HIGEDARUMA
    その後も、5号機、6号機、7号機と、使う人の体に合わせた新しい形が生まれています。
    BANNO
    では最後に、今日できる最小の一歩です。
    BANNO
    机に手のひらを置いて、動かさないまま、右にぐっと力を込めてみてください。
    HIGEDARUMA
    手は動いていないのに、力の向きは自分で分かりますよね。その数グラムを読み取っているのが、ヨミトリ君なんです。
    BANNO
    そのあとで、プロトペディアのヨミトリ君のページを、初代から順に見てみてください。
    HIGEDARUMA
    作ってみたい人は、M5Stackと重さユニットで、まずははかりを作ってみるのがおすすめです。少しの力で数字が動くのを見ると、きっとアイデアが湧いてきますよ。
    BANNO
    さて、今日紹介したのは、手を乗せるだけで、見えないほどの力を言葉に変える、ヨミトリ君4号機でした。
    HIGEDARUMA
    次回の作品でも、ゆっくりしていってね。

    クレジット

    紹介した作品
    ヨミトリ君4号機 指筆談(指談)のデバイス化技術による意思疎通支援装置
    作者: AIESA
    ライセンス: CC BY 4.0
    ※作品の画像・動画は、紹介のために切り抜き・編集して使用しています。
    声
    BANNO さんと HIGEDARUMA さんの録音をもとにした合成音声です。

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