しゃべって、見つめて、しっぽを振るネコのロボット「クロとシロ」|1体12か所が動く、ひとりで作ったアニマトロニクス
ProtoPedia の作品「クロとシロ」を2人のMCが初心者目線で紹介。黒ネコと白ネコの2体のロボットが、目・耳・口・首・しっぽの12か所を動かし、性格の違う言葉でおしゃべりします。触れると反応し、魚の札を見せるとリアクション。Unity の中で動きを作る方法、Gemini がセリフを考えて VOICEVOX の声でしゃべり、声に合わせて口を動かす流れ、ヒーローズ・リーグ 2024 での2つの受賞まで。
チャプター
0:00オープニング0:20おしゃべりする、2匹のネコロボット0:59クロ「嫌いじゃないぜ」2:24アニマトロニクス3:51画面の中の「双子のネコ」で動きを作る5:58ヒーローズ・リーグ 2024 で2つの賞6:44どこが動くか × どう反応するか7:35エンディング
文字起こし(72行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もProtoPediaから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、クロとシロ。
- BANNO
- わあ、黒ネコと白ネコ。置物かと思ったら、ロボットなんですか?
- HIGEDARUMA
- そうなんです。目も耳も、首もしっぽも動いて、しかも自分の言葉でおしゃべりするんですよ。
- BANNO
- しゃべるネコ!それはぜひ会ってみたいですね。
- HIGEDARUMA
- しかもこれ、小林竜太さんがひとりで作って、コンテストで賞を2つ取っているんです。
- BANNO
- まず、どんなふうにおしゃべりするのか、気になります。
- HIGEDARUMA
- 黒ネコのクロは、渋い低い声で、ちょっとぶっきらぼうなんです。
- HIGEDARUMA
- デモ動画では、「あんた、なかなかだな。でも嫌いじゃないぜ」なんて言うんですよ。
- BANNO
- ツンデレですね。じゃあ、白ネコのシロは?
- HIGEDARUMA
- シロはおっとりしていて、「今日は花の話なんてどう?」と話題を出してくれるんです。
- BANNO
- 性格がちゃんと違うんですね。2匹の掛け合いを見ているだけで楽しそうです。
- BANNO
- こちらから何かすると、反応してくれるんですか?
- HIGEDARUMA
- はい。体には触ったことを感じるセンサーがあって、触れると反応してくれます。
- HIGEDARUMA
- それから、カメラの前に魚の形の札を見せると、リアクションしてくれるんです。
- BANNO
- 写真の魚の札には、「ウインクして」と書いてありますね。かわいい!
- HIGEDARUMA
- 作者の動画では、しっぽを振ったり、ウインクしたりして応えてくれるんですよ。
- HIGEDARUMA
- 実は、何を見せるかで作者はかなり悩んだそうなんです。
- HIGEDARUMA
- 最初はうちわも考えたけど、「そのまんま過ぎるので、ネコっぽくお魚で」と書いています。
- BANNO
- ネコだから魚。見せる人も思わず笑っちゃいますね。
- HIGEDARUMA
- この2匹は、Maker Faire Tokyoのような展示会や、那須の子ども向けのイベントにも出ていたんですよ。
- BANNO
- それにしても、本当に生きているみたいに見えます。何が違うんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- この作品は、アニマトロニクスという技術で作られているんです。
- BANNO
- アニマトロニクス?初めて聞きました。
- HIGEDARUMA
- 機械の骨組みに外側のカバーをかぶせて、生き物そっくりに動かす技術です。テーマパークの動く恐竜も、その仲間なんですよ。
- BANNO
- ああ、あの首を振って吠える恐竜ですね!
- HIGEDARUMA
- クロとシロは、1体あたり12か所が動きます。目が4か所、耳が2か所、口が1か所。
- HIGEDARUMA
- それに頭が4か所、しっぽが1か所です。
- BANNO
- 目だけで4か所も!そこにそんなに力を入れているんですね。
- HIGEDARUMA
- 生き物らしさは、目でかなり決まるんです。視線が動いたり、まばたきしたりすると、急に「見られている」感じがするんですよ。
- BANNO
- たしかに、写真でもじっと見つめられている気がします。
- BANNO
- その12か所は、どうやって動かしているんですか?
- HIGEDARUMA
- サーボモーターという部品です。角度を指示すると、その位置までくるっと回って、ぴたっと止まるモーターなんです。
- HIGEDARUMA
- これが12個入っていて、全体の重さは1.5キロ。2リットルのペットボトルより軽いんですよ。
- BANNO
- 小さな体に、モーターが12個。ぎっしり詰まっているんですね。
- BANNO
- でも、12か所の動きを全部考えるのって、大変じゃないですか?
- HIGEDARUMA
- そこで作者は、Unityというゲームを作るソフトを使っています。
- HIGEDARUMA
- パソコンの画面の中に、本物そっくりのネコの3Dモデルを置いて、まずそこで動きを作るんです。
- BANNO
- 画面の中に、もう1匹の双子のネコがいる感じですね。
- HIGEDARUMA
- まさにそれで、デジタルツインと呼ばれています。作った動きを、本物のロボットに送って再生するんですよ。
- HIGEDARUMA
- 画面上のコントローラで関節を1つずつ動かして、調整もできるようにしているんです。
- BANNO
- 本物を何度も動かさずに、画面で試せるのは楽ですね。
- HIGEDARUMA
- 作者も、「基本アニメーションだいぶできてきた。Unity便利だね」と書いていました。
- BANNO
- おしゃべりのほうは、どういう流れなんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- 4つの段階に分けると分かりやすいです。まず、カメラとタッチのセンサーで、周りの様子を感じます。
- HIGEDARUMA
- 次に、Geminiという、文章を自分で考えて作るAIが、ネコの性格に合わせてセリフを作ります。
- BANNO
- セリフは、毎回AIが考えているんですね。
- HIGEDARUMA
- はい。そのセリフを、VOICEVOXという無料の音声ソフトで声にします。クロの声は青山龍星という渋い声なんです。
- HIGEDARUMA
- 最後が、動く段階です。声の大きさを細かく調べて、それに合わせて口をパクパク動かします。これをリップシンクといいます。
- BANNO
- 口が声と合っていないと、一気に作り物っぽくなりますもんね。
- HIGEDARUMA
- 途中では、「まだラグいけど、とりあえず喋るようになった」と書いていて、返事が遅れる悩みもあったようです。
- BANNO
- 一歩ずつ、できることを増やしていったんですね。
- HIGEDARUMA
- 全体のまとめ役には、AKARIというロボット用の公開ソフトを使っています。部品はこんな感じです。
- BANNO
- 機械にAIに、声に3Dまで。いろんな分野が入っていますね。
- BANNO
- 見た人の反応はどうだったんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- ヒーローズ・リーグ2024というコンテストで、賞を2つ受けています。
- HIGEDARUMA
- ひとつはオンラインヒーロー。決勝に進んだ作り手どうしの投票などで選ばれました。
- BANNO
- 作り手どうしで選ばれるのは、うれしいですね。
- HIGEDARUMA
- 講評では、「ぬくもりを感じられそうなほど猫を感じる」と言われています。
- BANNO
- 機械なのに、ぬくもり。まさに今日感じたことです。
- HIGEDARUMA
- もうひとつのクアドラプル賞では、「まさに総合芸術」「これを1人で作り上げたのは驚嘆の一言です」とまで書かれていました。
- BANNO
- 機械も、AIも、声も、見た目も。全部ひとりでって、本当にすごいです。
- BANNO
- 今日のお話で、生き物らしさの正体が少し分かった気がします。
- HIGEDARUMA
- どこが動くか、そしてこちらにどう反応するか。その組み合わせで、機械でも「生きている」と感じるんですよね。
- BANNO
- では、今日の一歩。VOICEVOXは無料なので、好きな一言を青山龍星の声でしゃべらせてみてください。
- HIGEDARUMA
- クロになったつもりで、「嫌いじゃないぜ」と入れてみるのもおすすめです。
- BANNO
- それから、家のぬいぐるみを見て、どこが動いたら生きて見えるかを考えてみるのも楽しいですよ。
- BANNO
- 作品ページのリンクは、概要欄に置いておきますね。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、しゃべって見つめてしっぽを振る2匹のネコ、クロとシロでした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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