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水滴が生き物みたいに踊る「ChoreoDrops」|紙に印刷した電極と電気の力で水を動かす

紹介した作品: ChoreoDropsProtoPedia での反響: 閲覧 1,000+ ・ ♥ 31

ProtoPedia の作品「ChoreoDrops」を2人のMCが紹介。紙のシートの上で、大小の水滴が移動し、形や色を変え、まるで生き物のように振る舞うメディアアート作品です。電気をかけると水と表面のなじみやすさが変わるエレクトロウェッティングという現象を、電気を通すインクで紙に印刷した電極で使う仕組みと、従来のやり方との違い(すき間はミクロン単位→数センチ、試すまで約30分)を、初めての人にも分かるように解説します。

チャプター

文字起こし(63行)
BANNO
ゆっくりばんのです。
HIGEDARUMA
ゆっくりひげだるまです。
BANNO
今日もProtoPediaから、ちょっと不思議で、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
HIGEDARUMA
今日紹介するのは、ChoreoDrops。
BANNO
写真だと、白い紙に線が引いてあって、水滴がひとつ乗っているだけ、ですよね?
HIGEDARUMA
そうなんです。この水滴が、誰も触っていないのに、紙の上をすーっと動き回るんですよ。
BANNO
ええっ、水が勝手に動くんですか?紙を傾けたりもせずに?
HIGEDARUMA
はい。紙は平らなまま。電気の力だけで、水滴を動かしているんです。
BANNO
想像がつかないです。実際には、どんなふうに動くんですか?
HIGEDARUMA
大きさの違う水滴が、移動したり、形を変えたり、色を変えたりするんです。
HIGEDARUMA
作者の言葉を借りると、まるで意思を持った生き物のように振る舞う、と。
BANNO
水滴が、生き物みたいに。見た人は、どんな反応だったんでしょう?
HIGEDARUMA
審査員の方からは、意思を持っているかのように紙の上を動き回る様子に、とても驚いた、という声がありました。
HIGEDARUMA
別の方は、印刷された模様を背景に、水滴がダンスを踊っているように見えてくる、とも書いています。
BANNO
ダンスですか。そういえば作品名のコレオって、ダンスの振り付けのことですよね?
HIGEDARUMA
振り付けを思わせる名前ですね。紹介ページにも、水滴の振り付け、という言葉が出てくるんです。
BANNO
でも、水が動くだけで、どうしてそんなに驚くんでしょうね。
HIGEDARUMA
そこが作者の狙いなんです。水は、霧になって漂ったり、雨粒として落ちたり、集まって流れたりしますよね。
HIGEDARUMA
どれも、ある意味で受け身の姿です。だから、その水が自分から動くのを見ると、人は驚いて、不思議な気持ちになるんです。
BANNO
なるほど。当たり前だと思っていたことが崩れるから、目が離せなくなるんですね。
BANNO
さあ、いよいよ種明かしです。どうして水滴が動くんですか?
HIGEDARUMA
エレクトロウェッティングという現象を使っています。
HIGEDARUMA
かんたんに言うと、電気をかけると、水と表面のなじみやすさが変わる現象なんです。
BANNO
なじみやすさ、ですか?
HIGEDARUMA
はい。水がぺたっと広がりやすいか、丸くはじかれるか、の違いですね。
HIGEDARUMA
電気をかけた場所では、水がなじみやすくなって、水滴がそちらへ引き寄せられるんですよ。
BANNO
じゃあ、電気をかける場所を、少しずつずらしていけば。
HIGEDARUMA
そうなんです。順番に切り替えると、水滴が後を追いかけるように、すーっと移動するんです。
BANNO
磁石で砂鉄を引っ張るのに、ちょっと似ていますね。面白いです。
BANNO
その電気は、どこからかけているんですか?
HIGEDARUMA
この写真が、仕組みの全体です。左の白い紙に、電気を通すインクで線が印刷されています。
HIGEDARUMA
この線が電極、つまり電気をかける場所なんです。紙は洗濯ばさみで留めてありますね。
HIGEDARUMA
右の基板には、ESP32という、手のひらサイズの小さなコンピュータが載っています。
BANNO
その小さなコンピュータは、何を担当しているんですか?
HIGEDARUMA
どの線に、どの順番で電気をかけるかを実行しているんです。いわば、水滴の振り付け係ですね。
BANNO
振り付け係!線の模様は、どうやって決めるんでしょう?
HIGEDARUMA
模様はAdobe Illustratorというデザインのソフトで描いて、プログラムはArduino IDEという道具で書き込んでいます。
BANNO
でも、電気で水を動かす研究って、前からあったんじゃないですか?
HIGEDARUMA
ありました。ただ、これまでのやり方は、電子基板の上に電極をびっしり並べる必要があったんです。
HIGEDARUMA
電極と電極のすき間は、ミクロン単位。1ミリの1000分の1の世界です。
BANNO
細かすぎますね。それだと、何が困るんですか?
HIGEDARUMA
制御が面倒なうえに、形の自由がほとんど無いんです。作品として、思った形を描けないんですよね。
HIGEDARUMA
ChoreoDropsは、そこを変えました。紙に好きな形の線を印刷して、線と線の間は数センチまで広げられるんです。
BANNO
ミクロンから数センチ!桁がまるで違いますね。
HIGEDARUMA
しかも電子基板が要らないので、線の模様を決めてから、実際に水滴を動かして試すまで、30分ほどで済むんです。
BANNO
30分なら、思いついた模様を、その日のうちに何度も試せますね。作る人にはうれしいです。
HIGEDARUMA
動かせる水も幅広いんです。基本的に水なら動かせて、大きさは直径数ミリから数センチまで。
HIGEDARUMA
水をはじく力を弱めない染料や、水に溶けない顔料を混ぜれば、色のついた水滴も動かせるんですよ。
BANNO
色の違う水滴が踊ったら、それはもう、小さな舞台ですね。
BANNO
使った道具も、見てみましょう。
HIGEDARUMA
デザインのソフトと、小さなコンピュータと、電気を通すインク。組み合わせは、とてもシンプルなんです。
BANNO
評価もすごいんですよ。ヒーローズ・リーグ2024で、4つの賞を受賞しています。
HIGEDARUMA
ノラ・メディアアート賞や、私がわくわく賞など、アートとワクワクの両方で選ばれているんです。
HIGEDARUMA
世界的なメディアアートのお祭り、アルス・エレクトロニカ・フェスティバルでも、2023年に展示されました。
HIGEDARUMA
さらに、人と、手でさわれるモノとの関わりを研究する国際学会、TEIでも、論文として発表されているんです。
BANNO
アートとしても、研究としても認められているんですね。作ったのは、imoさんです。
BANNO
見てみたくなった人は、どうしたらいいでしょう?
HIGEDARUMA
まずは作品ページを開いて、写真や紹介ページで、水滴の様子を見てみてください。
HIGEDARUMA
それから、紙を1枚用意して、水滴をどう踊らせたいか、線を1本描いてみてください。それが振り付けの、最初の一歩です。
HIGEDARUMA
描いた線は、そのまま水滴の通り道、つまり振り付けの楽譜になります。ChoreoDropsは、その線を本当に印刷して、水滴を踊らせているんです。
BANNO
線1本なら、今日すぐにできますね。いつものコップの水が、ちょっと違って見えそうです。
BANNO
さて、今日紹介したのは、電気の力で水滴が生き物のように踊る作品、ChoreoDropsでした。
HIGEDARUMA
次回の作品でも、ゆっくりしていってね。

クレジット

紹介した作品
ChoreoDrops
作者: imo
ライセンス: CC BY 4.0
※作品の画像・動画は、紹介のために切り抜き・編集して使用しています。
声
BANNO さんと HIGEDARUMA さんの録音をもとにした合成音声です。

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