賞品の部品3万円分で、マイコンボードを作って配った「マイコンボードを岐阜でギフト #まいぎふ」
ProtoPedia の作品「マイコンボードを岐阜でギフト #まいぎふ」を2人のMCが初心者目線で紹介。電子工作のコンテスト Mouser Make Awards 2024 で最優秀賞をとったスーザンワークスさんは、副賞の「部品3万円分」を独り占めせず、みんなで使う方が楽しいと、ラズパイピコ互換のマイコンボードを設計して配ることに。ピンの役目を色で示すカラーシルク基板、水晶の代わりのセラミック発振子、基板そのもので作った1個約4円の USB Type-C、メモ帳で保存するだけで動く CircuitPython。2カ月弱で仕上げ、Ogaki Mini Maker Faire 2024 で2日間に44枚を配り切るまで。
チャプター
0:00オープニング0:20作って配るマイコンボード1:05きっかけは、別の作品の受賞2:50配ったのは、どんなボード?4:241枚をいかに安く作るか6:56本番は2024年11月23・24日8:28ギフトは、さらに広がる9:19開発素材10:13エンディング
文字起こし(97行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もプロトペディアから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、マイコンボードを岐阜でギフト #まいぎふ。
- BANNO
- マイコン、ぎふ、ギフト。まいぎふ!名前にダジャレが効いてますね。
- HIGEDARUMA
- マイコンボードというのは、小さなコンピューターを、使いやすく1枚の板にのせたものなんです。
- BANNO
- 写真の、このカラフルな板ですね。これを、作ったんですか?
- HIGEDARUMA
- はい。自分で設計して、作って、しかもイベントで、タダで配っちゃったんです。
- BANNO
- タダで!?どうしてそんなことになったんでしょう。
- HIGEDARUMA
- きっかけは、作者のスーザンワークスさんが、別の作品でとった賞なんです。
- HIGEDARUMA
- 2024年に、マウザーアワードという、電子工作のコンテストがありまして。
- HIGEDARUMA
- そこで、手作りの小さなマイコンボードが、最優秀賞に選ばれたんです。
- BANNO
- すごい!ご本人の反応は、どうだったんですか?
- HIGEDARUMA
- まったく予想してなかったので、マジすか!?と書いています。
- BANNO
- マジすか、いいですね。素直に喜んでいるのが伝わってきます。
- HIGEDARUMA
- そして副賞が、マウザーという部品のお店で使える、3万円分の部品の購入権だったんです。
- BANNO
- 3万円分の部品!好きなものを、買い放題ですね。
- HIGEDARUMA
- ところが作者は、アレ買いたい、コレ買いたい、は何も考えてなかったそうなんです。
- BANNO
- 欲しいものリストが、空っぽだったんですね。
- HIGEDARUMA
- そこで考えたのが、自分ひとりで楽しむより、みんなで使う方が、きっと楽しい、ということ。
- BANNO
- それで、マイコンボードを作って、配ることにしたんですね。なんて気前がいい!
- HIGEDARUMA
- 配る場所は、岐阜県大垣市で11月に開かれる、Ogaki Mini Maker Faire 2024。ものづくりの展示会です。
- BANNO
- 岐阜で、ギフト。そこで名前がつながるんですね。
- HIGEDARUMA
- ただ、決めた時点で、本番まで2カ月を切っていたんです。
- BANNO
- 2カ月弱で、ボードを1から作る。間に合うんでしょうか。
- HIGEDARUMA
- 作者は、有言実行のために、プロトペディアに書いています、と宣言しているんです。
- BANNO
- 先に宣言して、自分を追い込む。イベントを運営していると、その気持ち、すごく分かります。
- BANNO
- ひげだるまさん、配ったのは、どんなボードなんですか?
- HIGEDARUMA
- Raspberry Pi Pico という、電子工作で大人気のボードがあるんです。
- HIGEDARUMA
- その頭脳と同じ、RP2040というチップを使って、ピコとほぼ同じように使えるボードにしています。
- BANNO
- 人気者と同じように使える。じゃあ、ピコ向けの作り方の情報も、参考にしやすそうですね。
- HIGEDARUMA
- 中身を整理すると、こうなります。
- HIGEDARUMA
- 頭脳のチップに、プログラムを覚えておく記憶の部品、それから、自由に線をつなげる穴が26本あります。
- BANNO
- 穴、というのは?
- HIGEDARUMA
- ピンと呼ばれる、電線をつなぐ穴です。ここにLEDやセンサーをつないで、動かすんですよ。
- BANNO
- 写真を見ると、その穴のまわりが、紫や緑に色分けされていますね。
- HIGEDARUMA
- そこが工夫なんです。基板の表に色付きで印刷して、どの穴が何の役目か、ひと目で分かるようにしています。
- HIGEDARUMA
- 普通のボードだと、小さな文字を読んだり、説明書の図と見比べたりするんですよね。
- BANNO
- 初心者は、そこでまず迷いますもんね。色なら、迷わない。
- HIGEDARUMA
- それから、ピコには無い、リセット用のボタンも付けました。やり直しが、ボタン1つでできるんです。
- BANNO
- 裏側は、名札みたいなデザインですね。HELLO MY NAME IS って書いてある。
- HIGEDARUMA
- ストラップを付ける穴もあって、キーホルダーみたいに持ち歩けるんです。
- BANNO
- でも、3万円分の部品で、たくさん配るとなると、1枚をいかに安くするかが勝負ですよね。
- HIGEDARUMA
- まさにそこです。最初に手をつけたのが、マイコンの、時計の役をする部品でした。
- BANNO
- マイコンに、時計があるんですか?
- HIGEDARUMA
- はい。一定のリズムを刻んで、計算の足並みをそろえる部品です。普通は、水晶でできた部品を使うんですよ。
- HIGEDARUMA
- そこを、もっと安い、セラミック製の部品に変えられないか、試したんです。
- BANNO
- 安くして、ちゃんと動くんでしょうか。
- HIGEDARUMA
- 作者は、配線むちゃくちゃだけど動作確認できた、と書いています。まず雑につないで、動くかだけ先に確かめたんです。
- BANNO
- きれいに作り込む前に、とりあえず試す。仕事でも大事な考え方ですね。
- HIGEDARUMA
- そして、いちばん驚いたのが、USBの差し込み口なんです。
- BANNO
- スマホの充電でおなじみの、USB Type-C ですね。
- HIGEDARUMA
- 普通は、金属の部品を買って付けます。でも作者は、基板そのものの形と模様で、差し込み口を作ってしまったんです。
- BANNO
- えっ、板の端っこを、そのまま差し込み口にしちゃったんですか?
- HIGEDARUMA
- 写真の左の、黒い部分がそうです。1枚のシートが1.2ドルで、そこから48個取れる。1個あたり、約4円なんです。
- BANNO
- 4円!作者も、充分安いよね、と書いていますね。
- HIGEDARUMA
- ほかにも、なくても動く部品は、思い切って省いています。
- HIGEDARUMA
- 説明書には、性能に不満を感じたら、市販のボードの購入を、と正直に書いてあるんですよ。
- BANNO
- そこまで正直だと、かえって信頼できますね。
- HIGEDARUMA
- さらに、基板を作る会社のJLCPCBも、この企画に賛同して、基板の製造を支援してくれたんです。
- BANNO
- ギフトの気持ちに、ギフトで応えてくれたんですね。
- HIGEDARUMA
- そして10月の終わり、自作のボードで、初めてLEDが点滅しました。作者のひと言は、うれしい!
- BANNO
- LEDが点滅して、うれしい、ですか?
- HIGEDARUMA
- 電子工作では、LEDをチカチカさせることを、Lチカと呼びます。最初に必ずやる、はじめの一歩なんですよ。
- BANNO
- 自分で設計した板で、最初の光がともる。それは、うれしいですよね。
- BANNO
- そして、いよいよ本番ですね。
- HIGEDARUMA
- 11月23日と24日の2日間、大垣のメイカーフェアの、82番ブースで配りました。
- BANNO
- もらう人は、ストラップの色も選べたそうです。黄色を即決で選んでいった人もいたとか。
- HIGEDARUMA
- 結果は、2日間で44枚。用意したボードを、全部配り切ったんです。
- BANNO
- 44人の手に、ギフトが届いたんですね!
- BANNO
- もらった人の反応は、どうだったんでしょう?
- HIGEDARUMA
- まず、色分けの基板は、ピンの役目が分かりやすい、と実感してもらえたんです。
- HIGEDARUMA
- 基板でできた差し込み口は、最初は、なにこれ、という感じ。でも説明すると、部品を付けやすそう、と喜ばれたそうです。
- BANNO
- なにこれ、から、なるほど、に変わる瞬間。展示会の醍醐味ですね。
- HIGEDARUMA
- そして一番驚かれたのが、メモ帳で開いて保存するだけで、プログラムが動くことでした。
- BANNO
- え、メモ帳で?特別なソフトは、いらないんですか?
- HIGEDARUMA
- 最初から、CircuitPythonという仕組みを、書き込んであるんです。
- HIGEDARUMA
- パソコンにつなぐと、USBメモリのように見えて、中のプログラムを書き換えて保存するだけで、すぐ動くんですよ。
- BANNO
- それなら、初めての人でも、すぐ試せますね。
- HIGEDARUMA
- 作者は、初心者さんもベテランさんも、何か新しい発見をしてもらえるボードができた、と振り返っています。
- BANNO
- このギフト、配って終わりじゃなかったんですよね。
- HIGEDARUMA
- 12月には、Raspberry Pi の公式アカウントが、この取り組みを紹介したんです。
- HIGEDARUMA
- 賞金でラズパイを買う代わりに、自分でボードを設計して作った、という紹介でした。
- BANNO
- 本家から紹介されるなんて、作者もびっくりですね。
- HIGEDARUMA
- 翌年4月の、つくろがや!3 というイベントでも、配ると告知していました。
- BANNO
- 作ったのは、スーザンワークスさん。子育てをしながら、ものづくりをしているエンジニアさんです。
- HIGEDARUMA
- しかも、回路図も、基板のデータも、部品の一覧も、全部公開しているんです。
- HIGEDARUMA
- 部品の一覧はマウザーのサイトにあって、何枚分、とまとめて注文できるんですよ。
- BANNO
- つまり、作り方ごと、ギフトしているんですね。
- HIGEDARUMA
- 設計に使った道具は、KiCadとEasyEDA。EasyEDAは、ブラウザで動く基板設計のツールです。
- BANNO
- 今日できる、いちばん小さな一歩です。
- BANNO
- まずは、まいぎふの GitHub のページを開いて、クイックスタートを読んでみてください。
- HIGEDARUMA
- 1秒ごとに、オレンジ色のLEDを点滅させる、数行のプログラムが載っています。
- HIGEDARUMA
- ピコのような、RP2040のボードが1枚あれば、同じ手順でLチカに挑戦できますよ。
- BANNO
- もらった賞品を、みんなが始めるきっかけに変える。僕も誰かに、何かを手渡したくなりました。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、賞品の部品でマイコンボードを作って配った、マイコンボードを岐阜でギフト #まいぎふ でした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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