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油の中を水玉が流れ続ける「無限オイルタイマー」|お酒を飲みながら静かに眺める、本物の物が動く合わせ鏡

紹介した作品: 無限オイルタイマーProtoPedia での反響: 閲覧 3,300+ ・ ♥ 24

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無限オイルタイマー

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    ProtoPedia の作品「無限オイルタイマー」を2人のMCが初心者目線で紹介。ビー玉が転がるからくり「マーブルマシン」が大好きだけど、ずっと眺めるにはちょっとうるさい。そこで作者は、油の中を色水の玉が転がる砂時計の仲間「オイルタイマー」にして静かにし、下に溜まった水をポンプで上へ戻して、ひっくり返さなくても流れ続けるようにしました。坂の角度30〜35度でやっと玉になった話、モーター1個と静音ドライバでポンプの音を消した工夫、合わせ鏡で本物の水玉が奥へ無限に連なる見たことのない景色、接着剤で漏れまくった試行錯誤まで。

    チャプター

    文字起こし(92行)
    BANNO
    ゆっくりばんのです。
    HIGEDARUMA
    ゆっくりひげだるまです。
    BANNO
    今日もプロトペディアから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
    HIGEDARUMA
    今日紹介するのは、無限オイルタイマー。
    BANNO
    写真を見ると、銀色の額縁みたいな箱の中を、青い粒がジグザグに並んでいますね。
    HIGEDARUMA
    その青い粒は、全部、水の玉なんです。油の中を、坂に沿ってころころ転がり落ちていくんですよ。
    BANNO
    横にお酒のグラスが置いてあるのも、いい雰囲気ですね。
    HIGEDARUMA
    実はそこが、この作品の出発点なんです。作者さんは、こう書いています。
    BANNO
    マーブルマシン的なものを、お酒を飲みながら、静かに楽しみたい。
    BANNO
    まず、マーブルマシンって何でしょうか?
    HIGEDARUMA
    ビー玉が、坂やレールの上をずっと転がり続けるからくりです。上まで運ばれては、また転がる。見ていると止まらないんですよ。
    BANNO
    ああ、ぼーっと眺めちゃうやつですね。いいじゃないですか。
    HIGEDARUMA
    ただ、ビー玉なので、カラカラ、コトコト、音がするんです。
    BANNO
    たしかに。夜に一杯やりながらだと、ちょっと気になりそうですね。
    HIGEDARUMA
    作者さんも、大好きだけど、ゆっくり楽しむにはちょっとうるさいよね、と書いています。
    BANNO
    好きなのに、うるさい。じゃあ、どうしたんですか?
    HIGEDARUMA
    答えがすごくシンプルで。オイル漬けにして、静かにさせよう、なんです。
    BANNO
    オイル漬け!ビー玉を油に沈めちゃうんですか?
    HIGEDARUMA
    近いです。ビー玉の代わりに水の玉を使う、オイルタイマーという置き物があるんですよ。
    HIGEDARUMA
    砂時計の砂の代わりに、油の中を色の付いた水の玉が、ゆっくり落ちていく。砂時計の仲間なんです。
    BANNO
    見たことあります。雑貨屋さんにありますよね。でも砂時計って、落ちきったら、ひっくり返さないといけないですよね?
    HIGEDARUMA
    そこなんです。この作品は、ひっくり返さなくても、ずっと流れ続けるんですよ。
    BANNO
    ずっと流れ続ける。いったい、どうなっているんですか?
    HIGEDARUMA
    順番にいきますね。まず、水は油より重くて、しかも混ざらないんです。
    HIGEDARUMA
    だから、油の中に水を入れると、丸い玉になって、下へ沈んでいくんですよ。
    BANNO
    ドレッシングの、油と酢が分かれているのと同じですね。
    HIGEDARUMA
    まさにそれです。その水の玉を、透明な板で作った、ななめの坂に転がしているんです。
    HIGEDARUMA
    ただ、ここで一回、失敗しているんですよ。坂がゆるいと、水がベターっと広がって、玉にならなかったそうです。
    BANNO
    へえ、角度で変わるんですね。何度ならうまくいったんですか?
    HIGEDARUMA
    作り直して、坂を30度から35度くらいにしたら、やっと玉になって転がったそうです。
    BANNO
    じゃあ、下まで落ちきった水は、どうなるんでしょう?
    HIGEDARUMA
    下に溜まった水を、ポンプで吸い上げて、上へ戻しているんです。だから、ひっくり返さなくていいんですよ。
    BANNO
    なるほど。砂時計を、自分でひっくり返し続けてくれる仕組みなんですね。
    HIGEDARUMA
    全体の構成図がこちらです。手前に青い水の層、奥に紫の水の層。その下にポンプとモーターがあります。
    BANNO
    構成図に、Arduinoって書いてありますね。
    HIGEDARUMA
    Arduinoは、手のひらサイズの小さなコンピューターです。モーターをどれくらいの速さで回すか、光を何色にするかを指示する、指揮役なんです。
    BANNO
    リモコンで、流れる速さや色も変えられるんですね。
    BANNO
    でも、ポンプやモーターって、ウィーンって音がしそうですけど、大丈夫なんですか?
    HIGEDARUMA
    そこが、作者さんがいちばんこだわったところなんです。静かにするのは必須、と書いて、徹底的にやっています。
    HIGEDARUMA
    音の出どころを、3つに分けて潰しているんですよ。
    BANNO
    3つ。ひとつ目は何でしょう?
    HIGEDARUMA
    ひとつ目は、こすれる音です。玉が液体の中を動くので、そもそも、ほとんど音が出ないんです。
    HIGEDARUMA
    ふたつ目は、モーターの回る音です。決まった角度ずつ回るモーターを、静音ドライバという部品で、滑らかに回しています。
    BANNO
    カクカク回すと、音が出ちゃうんですね。
    HIGEDARUMA
    そうなんです。そして3つ目が、音を出す部品の数を減らすことなんですよ。
    HIGEDARUMA
    ポンプは、やわらかい管をローラーでしごいて水を押し出すタイプを自作して、2本の管を、モーター1個で動かしているんです。
    BANNO
    歯みがき粉のチューブを、指でしごく感じですか?
    HIGEDARUMA
    まさにそのイメージです。さらに冷やすためのファンも用意したのに、温度が上がらないと分かって、外しちゃったんですよ。
    BANNO
    せっかく付けたファンまで外す。静かさへの本気が伝わりますね。
    BANNO
    作者さん、静かなのって無限って感じしませんか、とも書いていますね。
    HIGEDARUMA
    そのあとに、こじつけですか、そうですか、と自分でつっこんでいるのが、いいんですよね。
    BANNO
    それで、作品名の無限。もうひとつの意味が、この奥行きですよね?
    HIGEDARUMA
    はい。インフィニティミラー、という仕掛けです。鏡を向かい合わせにすると、奥へ奥へと、ずっと続いて見えますよね。
    BANNO
    エレベーターの中の、鏡と鏡の間みたいなやつですね。
    HIGEDARUMA
    それです。ふつうは、並べた光を映して、動いているように見せるものが多いんです。
    HIGEDARUMA
    でもこの作品は、本物の水の玉が転がっていて、それが奥へ奥へと、いくつも連なって見えるんですよ。
    BANNO
    本物が動いている合わせ鏡。たしかに、あまり見たことがないですね。
    HIGEDARUMA
    作者さんも、リアルな物が動くインフィニティミラーは、見たことないのでは、と書いています。
    BANNO
    これ、最初から思いついていたんですか?
    HIGEDARUMA
    作っている途中で、透明でLEDも付いているし、インフィニティミラーにできるのでは、とひらめいたそうです。
    HIGEDARUMA
    ただ最初は、中身が自分で光らないと、奥まで映らないと思い込んでいたんですよ。
    BANNO
    じゃあ、光る水を作ったんですか?
    HIGEDARUMA
    そうなんです。蛍光塗料を入れた水に、紫外線のライトを当てて作りました。
    HIGEDARUMA
    ところが途中で、光らなくても、普通にずっと奥まで映ると分かったんです。それで、色を変えられる普通の光に作り直しています。
    BANNO
    やってみて分かること、ありますよね。夜の居間くらいの明るさでも、ちゃんと奥行きが出るそうですね。
    BANNO
    しかも本物の水なので、毎回ちょっとずつ、動きが違うんですよね。
    HIGEDARUMA
    少しの揺れで動きが変わって、それが味になるんです。流す速さを変えると、水の玉どうしがくっついて、合体したりするんですよ。
    BANNO
    作者さんは、水の玉をスライムたち、と呼んでいますね。かわいい。
    BANNO
    見た目はシンプルですけど、作るのは大変だったんじゃないですか?
    HIGEDARUMA
    大変だったみたいです。まず、水と油を閉じ込める透明な箱を、アクリルの板で手作りしているんですが、
    HIGEDARUMA
    接着剤は失敗しまくり、漏れまくり、と書いています。
    BANNO
    油が漏れるのは、きついですね。どうやって止めたんですか?
    HIGEDARUMA
    やすりで削って、紫外線で固まる樹脂、UVレジンで貼る方法に落ち着いたそうです。力を均等にかけて貼るコツもあるんだとか。
    HIGEDARUMA
    油選びもそうです。ねばり気を選べる油だと、重すぎて水が沈みにくい。結局、ベビーオイルがいい、となったんですよ。
    BANNO
    ベビーオイル!ドラッグストアで買える、あれですよね。
    HIGEDARUMA
    台の中には、もし漏れても大丈夫なように仕切りの壁があって、配線もわざとたるませて、液が伝ってこないようにしているんです。
    BANNO
    漏れることまで考えて作ってあるんですね。
    HIGEDARUMA
    作者さんの感想がこちらです。一つ一つがマイナー技術で、お手本となる方が見当たらず、めちゃくちゃ試行錯誤が大変でした。
    BANNO
    そして、見せられる形まで持ってこられてよかった、と。この一言、ぐっときますね。
    BANNO
    この作品、名前の無限には、4つの意味が込められているんですよね。
    HIGEDARUMA
    ずっと流れ続ける、時間の無限。合わせ鏡の、奥行きの無限。本物が動き続ける、連続の無限。
    BANNO
    そして最後が、静かさの無限ですね。
    BANNO
    作ったのは、作者さんひとり。個人で作った作品です。
    HIGEDARUMA
    ヒーローズ・リーグ2024にも、エントリーしていました。
    BANNO
    好きなものの、ちょっとした不満を、別の仕組みで解決する。発想がすてきですね。
    HIGEDARUMA
    うるさいなら、油に沈めればいい。言われてみれば、なるほどなんですよね。
    BANNO
    じゃあ今日できる、いちばん小さな一歩です。
    BANNO
    透明なコップに、ベビーオイルかサラダ油を入れて、色を付けた水を、スプーンでひとしずく落としてみてください。
    HIGEDARUMA
    水が丸い玉になって、ゆっくり沈んでいくはずです。それが、この作品のいちばん小さな部品なんですよ。
    HIGEDARUMA
    動いている様子は、作品ページの動画で見られます。ぜひ、静かな夜に眺めてみてください。
    BANNO
    さて、今日紹介したのは、油の中を水の玉が静かに流れ続ける、無限オイルタイマーでした。
    HIGEDARUMA
    次回の作品でも、ゆっくりしていってね。

    クレジット

    紹介した作品
    無限オイルタイマー
    作者: 55
    ライセンス: CC BY 4.0
    ※作品の画像・動画は、紹介のために切り抜き・編集して使用しています。
    声
    BANNO さんと HIGEDARUMA さんの録音をもとにした合成音声です。

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