手を叩くと光が走る!音の速さが目に見える装置「音を「見る」!」|秒速340mを200個のセンサーで
ProtoPedia の作品「音を「見る」!」を2人のMCが初心者目線で紹介。マイクが音を拾うとLEDが光るだけの小さなセンサーを200個並べ、手を叩いた音が空気を進んでいく様子を光の流れとして見せる科学体験です。体育館の20mを0.06秒で走る音、床一面に敷き詰めて真ん中で叩くと光が波紋のように広がった実験、壁で跳ね返った音の発見、電池1本で動かす工夫と工場での量産まで。
チャプター
0:00オープニング0:20音を、目で見る1:17音は1秒に約340m進む2:39マイク=耳、LED=旗4:05約20mに、200個を一直線6:56単4電池1本で動く8:36さいきょうの「科学体験」10:10エンディング
文字起こし(88行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もProtoPediaから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、音を「見る」!
- BANNO
- 音を見る?音って、耳で聞くものですよね。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。でもこの作品では、手をパンッと叩くと、床に並べた小さな光が、パパパッと順番に走っていくんですよ。
- BANNO
- 光が走る?それが、音の動きなんですか?
- HIGEDARUMA
- はい。音が届いた順に光るので、音が空気の中を進んでいく様子が、目で見えるんです。
- BANNO
- へえ、見えないはずのものが見えるんですね。
- HIGEDARUMA
- しかも体育館の床に200個並べたら、音が池の波紋のように、丸く広がるところまで見えたんですよ。
- BANNO
- それは見てみたいです。今日はその実験の話ですね。
- BANNO
- そもそも、音に速さがあるって、どういうことでしょうか?
- HIGEDARUMA
- 雷を思い出してください。ピカッと光ってから、少し遅れてゴロゴロが聞こえますよね。
- BANNO
- ああ、ありますね。花火も、光ってからドーンが来ます。
- HIGEDARUMA
- まさにそれです。光はほぼ一瞬で届くのに、音は空気の中を少しずつ進んでくるんです。
- HIGEDARUMA
- その速さが、1秒間に約340メートル。これを音速と言います。
- BANNO
- 1秒で340メートル。東京タワーの高さくらいを、1秒で進むんですね。
- BANNO
- でも速すぎて、目で追うなんて無理じゃないですか?
- HIGEDARUMA
- 実は昔から、見せる方法はあったんです。NHKの大科学実験という番組では、大勢の人が一列に並びました。
- HIGEDARUMA
- 音が聞こえたら旗を上げる。すると旗が順番に上がって、音の進み方が見えるんですよ。
- BANNO
- 人間リレーみたいですね。でも、それって大勢集めて練習しないと、できないですよね。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。作者も、個人で再現するのはなかなかハードルが高い、と書いています。
- HIGEDARUMA
- そこで作者が考えたのが、この音の速さを、自分で目で見ることはできないか、ということでした。
- BANNO
- じゃあ、旗を上げる人の代わりに、何を並べたんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- 手のひらに乗るくらいの、小さなセンサーです。1個に、音を聞くマイクと、LEDという小さなライトが付いています。
- BANNO
- マイクが耳で、LEDが旗の代わり、ということですね。
- HIGEDARUMA
- その通りです。マイクが音を拾ったら、LEDがピカッと光る。1個がやることは、それだけなんです。
- HIGEDARUMA
- 中の仕組みも、マイクの小さな電気の合図で、トランジスタというスイッチを入れて、LEDに電気を流すだけです。
- BANNO
- センサー同士で、連絡を取り合ったりはしないんですか?
- HIGEDARUMA
- しないんです。通信も、難しい制御もありません。ただ並べるだけで、音が届いた順に光っていきます。
- BANNO
- 並べ方だけで、音の動きが見えるんですね。シンプルでいいですね。
- HIGEDARUMA
- 実は作者、前の年の社内イベントで、このセンサーを100個作って、廊下にずらっと並べたことがあるんです。
- HIGEDARUMA
- 音が届いた順に光がパパパッと走って、参加者からも大好評だったそうです。
- BANNO
- もう成功していたんですね。じゃあ今回は、何が違うんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- 今回は一から作り直した進化版です。目標は、直線じゃなくて床一面に並べて、音が丸く広がる様子を見ることでした。
- BANNO
- いよいよ実験ですね。どこでやったんですか?
- HIGEDARUMA
- 体育館です。まずは約20メートルの直線に、センサーを200個、等間隔に並べました。
- HIGEDARUMA
- 端で手を叩くと、音が反対側に届くまで、計算では約0.06秒です。
- BANNO
- 0.06秒?まばたきより速いですよね。そんなの、見えるんですか?
- HIGEDARUMA
- それが、ちゃんと見えたそうです。作者は、人間の目はよくできていて、秒速340メートルがちゃんと見えた、結構感動です、と書いています。
- BANNO
- 肉眼で見えちゃうんですね。それはちょっと、自分の目で見てみたいです。
- HIGEDARUMA
- ただ、動画に撮るのは大変なんです。ふつうの動画は1秒間に30枚の写真を撮るので、光は2枚目でもう端に着いてしまいます。
- BANNO
- 2枚だと、パラパラ漫画にもならないですね。
- HIGEDARUMA
- そこでスマホのスロー撮影を使います。1秒間に240枚撮れるので、光が端まで走る間に、約16枚撮れるんですよ。
- BANNO
- なるほど、カメラの工夫も、実験の一部なんですね。
- BANNO
- 次は、本当にやりたかった、床一面ですね。
- HIGEDARUMA
- はい。横に10個、縦に20個、約1メートル間隔で、体育館の床に敷き詰めました。
- HIGEDARUMA
- まずは端で手を叩いてみたんですが、作者の感想は、広がっていくのがわかるような、わからないような。
- BANNO
- あら、うまくいかなかったんですね。
- HIGEDARUMA
- そこで作者は、端から叩いたのが良くなかったのかも、と考えて、今度は真ん中で叩いてみたんです。
- HIGEDARUMA
- さらに動画を引き伸ばして、実際より32倍ゆっくり見えるスローにしました。
- BANNO
- それで、どうなったんですか?
- HIGEDARUMA
- 真ん中から、光が池の波紋みたいに、丸く広がっていったんです。
- BANNO
- うわあ、音が丸く広がるのが、見えたんですね!
- HIGEDARUMA
- 作者も、見ました?見えます?、実験は大成功でした!と、すごく嬉しそうに書いています。
- BANNO
- 一度うまくいかなくても、叩く場所を変えて、もう一回。これぞ実験ですね。
- HIGEDARUMA
- しかも、予想外の発見もあったんです。手を叩いた直後じゃないのに、光る所があったんですよ。
- BANNO
- え、誰も叩いていないのに、ですか?
- HIGEDARUMA
- よく見ると、奥へ進んだ光が、手前に戻ってきていたんです。作者は、体育館の壁で跳ね返った音に反応したのでは、と考えています。
- BANNO
- やまびこまで見えちゃったんですね。
- HIGEDARUMA
- 作者は、壁のない屋外の広い場所で、いつか実験してみたい、と次の目標も書いています。
- BANNO
- 200個も作るのって、大変じゃないですか?
- HIGEDARUMA
- そこにも工夫があるんです。まず、電池が1本で動きます。
- BANNO
- 1本で?何か特別なんですか?
- HIGEDARUMA
- LEDを光らせるには、ふつう乾電池が2本以上要るんです。1本だと、電気を押し出す力が足りないんですよ。
- HIGEDARUMA
- そこで、その押し出す力を持ち上げる昇圧回路という部品を入れて、1本でも光るようにしました。
- BANNO
- なぜ、そこまで1本にこだわったんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- 理由は2つです。たくさん使うので電池の数を減らしたいこと、そして、小さい子と実験するかもしれないので、ボタン電池は避けたいことです。
- BANNO
- 子どもが飲み込んだら危ないですもんね。使う場面まで考えているのが、いいですね。
- HIGEDARUMA
- 形にもこだわっています。電池ボックスを本体の裏に付けて、床に置くと、マイクとLEDがちょうど良い角度になるんです。
- BANNO
- じゃあ組み立ては、全部自分ではんだ付けしたんですか?
- HIGEDARUMA
- いえ。作者も、200個を1個ずつはんだ付けするのは、かなりツラい!と書いています。
- HIGEDARUMA
- そこで部品を全部、機械で組み立てやすい小さな部品に変えて、基板の工場に製造から組み立てまでお願いしたんです。
- BANNO
- 個人でも、工場に頼めるんですね。
- HIGEDARUMA
- はい。JLCPCBという基板メーカーで見積もりを取ったら、なんとか現実的な費用に収まりそうだと分かって、進めたそうです。
- BANNO
- アイデアだけじゃなくて、作り方まで考え抜いたから、200個そろったんですね。
- BANNO
- 作ったのは、工作記録帳さん。ProtoPedia Award 2025にエントリーした作品です。
- HIGEDARUMA
- テーマは、ぼくのかんがえたさいきょうの科学体験。ProtoPediaからも、作ったあとの体験までの行動力が素晴らしい、とコメントが寄せられています。
- BANNO
- 作るだけじゃなく、実際に体育館で試したところまで、ですね。
- HIGEDARUMA
- 作者によると、センサーは20個くらいでも、音が伝わる様子は見えるそうです。
- HIGEDARUMA
- ただし、一番近いセンサーと一番遠いセンサーは、20メートル以上離すのがコツです。近すぎると、速すぎて目が追いつかないんですよ。
- BANNO
- 作品ページと、作者のブログのリンクは、概要欄に置いておきますね。
- BANNO
- では、今日の一歩。次に雷が光ったら、ゴロゴロが聞こえるまで、何秒かかるか数えてみてください。
- HIGEDARUMA
- 音は1秒に約340メートル進むので、3秒なら、だいたい1キロ先で光ったことになります。
- BANNO
- 公園みたいな広い場所なら、遠くにいる人に手を叩いてもらうのもいいですね。叩くのが見えてから、音が遅れて届きます。
- HIGEDARUMA
- そのズレこそ、今日の作品が光で見せてくれた、音の速さです。自分の目と耳で、感じてみてください。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、手を叩くと光が走って音の速さが見える装置、音を「見る」!でした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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