三角コーンが歩き出す!?「ヤドカリ・パイロン」|ビンゴで当たったパイロン10個から生まれた擬態ロボット
ProtoPedia の作品「ヤドカリ・パイロン」を2人のMCが初心者目線で紹介。工事現場でおなじみの赤い三角コーン(パイロン)の中にロボットが隠れていて、ふだんはただのコーンのふり、動くときはコーンを背負ったまま足を出してヤドカリのようにシャカシャカ歩きます。ビンゴ大会でパイロンを引き当てた作者の思いつき、床との隙間3cmの擬態、持ち上げてから体を前に出す伸びる体、BB弾で作ったネジいらずの脚、お披露目当日朝に完成した裏話まで。
チャプター
0:00オープニング0:20三角コーンに隠れる、ヤドカリロボット1:05擬態モード:ただのコーンのふり2:46ビンゴの景品が、まさかのパイロン3:43歩く係 + 持ち上げる係5:36BB弾で関節をなめらかに7:12受賞 5つ8:23エンディング
文字起こし(80行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もProtoPediaから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、ヤドカリ・パイロン。
- BANNO
- パイロンって、工事現場とか駐車場にある、あの赤い三角コーンですよね?
- HIGEDARUMA
- そうです。あのコーンの中に、歩くロボットが隠れているんですよ。
- BANNO
- えっ、道ばたのコーンが急に歩き出したら、わたし悲鳴をあげちゃいますよ。
- HIGEDARUMA
- まさにその「えっ!?」を楽しむ作品なんです。かわいいか、怖いか、見てのお楽しみですね。
- BANNO
- しかも作ったきっかけが、ビンゴ大会らしいんですよ。そこも後でじっくり聞きましょう。
- BANNO
- まずは、どんなふうに動くのか教えてください。
- HIGEDARUMA
- 止まっているときは、床にぺたんと座り込んでいます。これを擬態モードと呼んでいます。
- BANNO
- 擬態って、カメレオンみたいに、まわりのものにそっくりな姿で隠れることですね。
- HIGEDARUMA
- そうです。座り込んだとき、コーンと床のすき間は、たった3センチほどなんです。
- BANNO
- 3センチ!指2本ぶんくらいですか。それなら、立って見下ろしたら気づかないですね。
- HIGEDARUMA
- 作者も、立っている人の目線からは、ほぼ見分けがつかないと書いています。
- BANNO
- じゃあ、動くときはどうなるんですか?
- HIGEDARUMA
- まずコーンがぐいっと持ち上がって、中から体が前にせり出してきます。
- HIGEDARUMA
- そして、たくさんの脚で、シャカシャカ歩き出すんですよ。
- BANNO
- あ、だからヤドカリ!貝殻のかわりに、コーンを背負って歩くわけですね。
- HIGEDARUMA
- その通りです。止まるときは、後ろに下がってからコーンを下ろします。
- BANNO
- それで、何事もなかったように、ただのコーンに戻るんですね。とぼけてる感じがかわいいです。
- HIGEDARUMA
- 見た人の反応もすごくて、審査員の方から「ほぼ一目惚れ」「すごいほしい」という声が届いています。
- BANNO
- わかります。ネットでも話題になったんですか?
- HIGEDARUMA
- はい。作者のブログによると、展示の様子を投稿したら、反応が1万を超える、いわゆる万バズになったそうです。
- HIGEDARUMA
- なかには「シンプルに怖い」という感想もあったとか。
- BANNO
- ふふ、かわいいと怖いは紙一重ですね。その振れ幅こそが魅力なんだと思います。
- BANNO
- それで、気になっていたビンゴ大会の話です。
- HIGEDARUMA
- 作者はある時、イベントのビンゴ大会で、主催者が悪ふざけで用意した景品、パイロンを引き当てたんです。
- BANNO
- 景品がパイロン!?もらっても、正直困りますよね。
- HIGEDARUMA
- しかも、なんと10個。作者いわく、それ以来、10個のパイロンと同居生活をしているそうです。
- BANNO
- 10個と同居生活!普通なら、困って物置にしまっちゃいそうです。
- HIGEDARUMA
- でも作者は、当たったからには、これを使い切る作品を作ろうと考えたんです。
- HIGEDARUMA
- アイデアをいくつも出して、その第一弾が、このヤドカリ・パイロンなんですよ。
- BANNO
- 困ったモノを、笑えるモノに変えちゃう。その発想、すてきですね。
- HIGEDARUMA
- 作者いわく、ありふれたパイロンから足が生えて、一気に異物感のある姿に変わる。そのギャップが魅力なんだそうです。
- BANNO
- では、種明かしをお願いします。コーンの中は、どうなっているんですか?
- HIGEDARUMA
- 体は大きく2つに分かれています。歩く係と、コーンを持ち上げる係です。
- HIGEDARUMA
- 歩く係には、電気を流すとくるくる回り続けるモーターが2つ入っています。
- BANNO
- でも、くるくる回るだけだと、タイヤみたいに走りそうですけど?
- HIGEDARUMA
- いい質問です。棒をつないだしかけで、回る動きを、脚の上げ下ろしに変えているんです。
- HIGEDARUMA
- 脚ごとにタイミングをずらしているので、順番に地面をけって、シャカシャカ進むんですよ。
- BANNO
- なるほど、自転車のペダルの動きで、足踏みしているようなイメージですね。
- BANNO
- じゃあ、持ち上げる係のほうは?
- HIGEDARUMA
- こちらは、決めた角度までピタッと動いて止まるモーターが2つ。腕でコーンを上げ下げします。
- HIGEDARUMA
- 面白いのは、この2つの係を、引き出しのレールみたいな部品でつないでいるところなんです。
- BANNO
- 引き出しのレール?それは何のためですか?
- HIGEDARUMA
- 実は、コーンをただ持ち上げるだけだと、ヤドカリに見えなかったそうなんです。
- HIGEDARUMA
- そこで、持ち上げたあとに体をぐっと前に出す。レールで体が伸びて、殻から身を乗り出す姿になるんです。
- BANNO
- うまくいかなかったところから、ひと工夫でヤドカリらしさが生まれたんですね。
- BANNO
- ちなみに、どうやって動かしているんですか?自分で考えて歩くんでしょうか。
- HIGEDARUMA
- いえ、まわりを見るセンサーは付いていません。人がスマホで操縦するんです。
- HIGEDARUMA
- 頭脳は、切手くらいの小さなコンピューター、M5StampS3。スマホの画面をリモコンにするアプリ、RemoteXYでつないでいます。
- BANNO
- スマホがリモコンになるなら、わたしでも動かしてみたくなります。
- BANNO
- 作者が特にこだわったところは、どこなんでしょう?
- HIGEDARUMA
- ひとつは脚です。関節がなめらかに回るように、BB弾を使っているんですよ。
- BANNO
- BB弾って、おもちゃの鉄砲の、あの丸い玉ですか?
- HIGEDARUMA
- そうです。丸い玉が転がることで、回る部分の引っかかりを減らす。ベアリングという部品の役目を、BB弾にさせているんです。
- HIGEDARUMA
- しかも部品と一体になっているので、脚はネジをほとんど使わずに組み立てられます。
- BANNO
- それって、丈夫さにも関係あるんですか?
- HIGEDARUMA
- 大ありです。展示イベントで二日間歩かせ続けても、脚の手入れは一回も要らなかったそうです。
- BANNO
- 身近なものでそこまでできるなんて、ちょっと勇気が出ますね。
- HIGEDARUMA
- もうひとつは、隠れ方へのこだわりです。床とのすき間、本当はゼロにしたかったそうなんです。
- HIGEDARUMA
- でも、3センチが自分の技術では限界だった、と正直に書いています。
- BANNO
- そこで、あきらめたんですか?
- HIGEDARUMA
- いいえ。コーンの内側から触れる部品を、全部赤い色にそろえたんです。
- BANNO
- なるほど!中身が透けて見えても、赤だから目立たないんですね。
- HIGEDARUMA
- ちなみに、お披露目のイベントでは、完成したのは当日の朝だったそうです。
- HIGEDARUMA
- メカが一か所壊れたときは、コンビニで瞬間接着剤を買って直したとか。
- BANNO
- ふふ、親近感がわきますね。完璧じゃなくても、まず持っていって見せるのが大事なんですね。
- BANNO
- 作ったのは、個人開発者のshikky_labさんです。
- HIGEDARUMA
- コンテストでも大人気で、賞を5つももらっています。
- HIGEDARUMA
- ProtoPedia Award 2025ですずきま賞、ヒーローズ・リーグ2025では、M5Stack賞やオンラインヒーローなど4つです。
- BANNO
- お披露目からの半年間、いろいろな人を笑顔にしてきた、という評価もありました。ほんとにそうですね。
- BANNO
- 作者のブログやデモ動画のリンクは、概要欄に置いておきますね。ブログでは3Dモデルも公開されていますよ。
- BANNO
- では、今日の一歩。家にある、使い道に困っているモノをひとつ思い浮かべてください。
- BANNO
- そして、「これに足が生えたら?」と考えてみる。それだけで、立派なアイデア出しです。
- HIGEDARUMA
- 作ってみたくなったら、まずはスマホから、モーターをひとつ回してみるところからです。
- HIGEDARUMA
- モーターが動いた瞬間、モノが生き物に見えてきますよ。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、三角コーンに隠れて歩き回るロボット、ヤドカリ・パイロンでした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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