ProtoPedia Video Maker

ロボットが自分でワニを叩く「AIワニワニパニック」|写真1枚で育てる物体検出と、人のお手本をまねる模倣学習

紹介した作品: AIワニワニパニックProtoPedia での反響: 閲覧 810+ ・ ♥ 4

0回再生作者の方へ: 素材のダウンロード

リストに保存

AIワニワニパニック

    3分版をリクエスト(作者キット)

    ProtoPedia の作品「AIワニワニパニック」を2人のMCが初心者目線で紹介。ゲームでおなじみのワニワニパニックを、AIを積んだロボットアームが自分で叩きます。ワニが速すぎる壁は、マイコン XIAO を組み込んでワニを遅くする改造で突破。ワニ1匹につき写真1枚から合成写真1000枚を作り、手作業の印付けなしでワニを見つけるAIを育てました。さらに人が20分お手本を見せる模倣学習でも、ロボットがワニを叩けるように。作者はからあげさんと matsujirushi さん。Maker Faire Tokyo 2025 出展。

    チャプター

    文字起こし(95行)
    BANNO
    ゆっくりばんのです。
    HIGEDARUMA
    ゆっくりひげだるまです。
    BANNO
    今日もProtoPediaから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
    HIGEDARUMA
    今日紹介するのは、AIワニワニパニック。
    BANNO
    ワニワニパニックって、ゲームセンターにある、あのワニを叩くゲームですよね?
    HIGEDARUMA
    そのワニワニパニックです。写真を見てください。おもちゃ版のワニワニパニックの前に、白いロボットの腕が立っていますよね。
    BANNO
    あ、本当だ。腕の先に、ハンマーみたいなものが付いてます。
    HIGEDARUMA
    このロボットが、カメラで自分でワニを見つけて、叩きにいくんです。人は操作しません。
    BANNO
    ロボットがゲームで遊ぶんですか!楽しそうですね。
    HIGEDARUMA
    作ったのは、ソフト担当のからあげさんと、ハード担当のmatsujirushiさん。2人のチームです。
    BANNO
    でも、ロボットにワニを叩かせるのって、難しくないんですか?
    HIGEDARUMA
    難しいんです。最初にぶつかった壁は、ワニが速すぎる、でした。
    HIGEDARUMA
    作者さんが動画で測ったところ、ワニが穴から顔を出しているのは、だいたい1秒くらいなんです。
    BANNO
    1秒!人間でも、けっこう焦りますよね。
    HIGEDARUMA
    はい。ロボットの腕は人の腕ほど素早く動けないので、そのままでは全然間に合わないんですよ。
    BANNO
    じゃあ、ロボットをもっと速くしたんですか?
    HIGEDARUMA
    それが逆なんです。ワニのほうを遅くしちゃいました。
    BANNO
    ワニを遅く!相手を変えちゃうんですね。
    HIGEDARUMA
    ハード担当のmatsujirushiさんが、おもちゃの中にマイコンを組み込んだんです。マイコンは、家電やおもちゃに入っている、手のひらより小さなコンピューターのことです。
    BANNO
    おもちゃの中身を、作り替えちゃったんですね。
    HIGEDARUMA
    構成図を見ると、真ん中にSeeedのXIAOというマイコンがあります。ワニを動かすモーターも、叩かれたことを知るスイッチも、効果音のスピーカーも、全部ここにつながっています。
    HIGEDARUMA
    これで、ワニの速さを、プログラムを書き換えるだけで自由に変えられるようになりました。
    BANNO
    すごい。それ、時間がかかったんじゃないですか?
    HIGEDARUMA
    からあげさんの記事には、matsujirushiさんが一晩でやってくれました、と書いてあるんです。
    BANNO
    一晩で!ソフトとハードで、得意なことを分け合っているのがいいですね。
    BANNO
    ワニが遅くなったら、次はロボットがワニを見つける番ですね。
    HIGEDARUMA
    はい。ここで使うのが、物体検出というAIです。写真や映像の中の、どこに何があるかを見つけてくれるんです。
    HIGEDARUMA
    この画像を見てください。顔を出したワニを、青い四角でぴったり囲んでいますよね。
    BANNO
    本当だ。ワニの場所が分かれば、そこを叩けばいいわけですね。
    HIGEDARUMA
    そうなんです。ただ、ふつうはこのAIを育てるのが、すごく大変なんですよ。
    BANNO
    何が大変なんですか?
    HIGEDARUMA
    ワニが写った写真を、数百枚から数千枚用意して、1枚ずつここにワニがいる、と印を付けていくんです。アノテーションと呼ばれる作業です。
    BANNO
    数千枚に、手で印を!考えただけで、気が遠くなりますね。
    HIGEDARUMA
    からあげさんも記事で、魂を削る孤独な作業、地獄ですね、と書いています。
    BANNO
    地獄って言っちゃってる。じゃあ今回は、どうしたんですか?
    HIGEDARUMA
    ここが一つ目の見どころです。ワニ1匹につき、写真を1枚だけ撮ったんです。
    HIGEDARUMA
    ピンセットでワニを引っぱり出して、1匹ずつ撮影します。
    BANNO
    1枚だけ?それで足りるんですか?
    HIGEDARUMA
    そのままでは足りません。そこで、撮ったワニを切り抜いて、いろんな背景に貼り付けた写真を、コンピューターに自動で作らせるんです。
    HIGEDARUMA
    どこに貼ったかはコンピューター自身が分かっているので、ここにワニがいる、という印も自動で付きます。
    BANNO
    なるほど!貼った本人だから、場所を知っているわけですね。
    HIGEDARUMA
    そうです。こうして作った練習用の写真は1000枚。人が印を付ける作業は、ゼロです。
    BANNO
    写真1枚から1000枚。手作業の地獄が、まるごと消えたんですね。
    HIGEDARUMA
    ただ、すんなりとはいきませんでした。古いAIのモデルで試すと、ワニの位置がずれたり、見つけられなかったりしたんです。
    HIGEDARUMA
    そこで新しいモデルに替えたら、実際の写真でも十分使えると感じるくらい、正しく見つけられるようになりました。
    BANNO
    AIの中身を替えただけで、そんなに変わるんですね。
    HIGEDARUMA
    からあげさんは数年前にも同じやり方を試して、全く性能が出なかったそうです。それが今はできる。記事でも、AIの進化には目を見張るばかり、と驚いています。
    BANNO
    スピードは間に合うんですか?ワニは1秒しか出ていないんですよね。
    HIGEDARUMA
    いい質問です。腕が動く時間を考えると、0.2秒以内にワニを見つけたい。そこで、AIが得意な小さなコンピューター、Jetsonで動かしました。
    HIGEDARUMA
    結果、カメラの映像から1回ワニを見つけるのにかかる時間は、0.1秒ほど。目標の半分です。
    BANNO
    0.1秒!まばたきくらいの速さですね。
    HIGEDARUMA
    ワニが出てくる穴は5か所あるので、穴ごとに叩く動きを5パターン用意しておきます。見つけた穴に合わせて、その動きを再生するんです。
    BANNO
    見つける目と、決めておいた動き。この組み合わせで叩くんですね。
    BANNO
    作品ページには、方法が2つあると書いてありましたよね。もう1つは何ですか?
    HIGEDARUMA
    もう1つは、模倣学習です。人がロボットを動かして見せたお手本を、AIがまねして覚えるやり方なんです。
    BANNO
    お手本を、まねる?
    HIGEDARUMA
    はい。ロボットの腕がもう1本あって、人がそれを手で動かすと、ロボットが同じように動くんです。人が操り人形を動かす感じですね。
    HIGEDARUMA
    そうやって人がワニを叩いて見せた動きと、そのときのカメラの映像を、セットで記録します。
    BANNO
    子どもに、こうやるんだよ、と手を添えて教える感じですね。
    HIGEDARUMA
    まさにそれです。お手本は1回30秒を30回。合わせて20分くらい、ひたすら人がワニを叩きました。
    BANNO
    20分も、ずっとワニワニパニック!
    HIGEDARUMA
    本当は50回から100回くらいあったほうがいいらしいんです。でもからあげさんは、1時間とかロボットでワニワニパニックするのは辛過ぎるので、と書いています。
    BANNO
    正直ですね。その気持ち、すごく分かります。
    BANNO
    それで、20分のお手本で、ちゃんと覚えられたんですか?
    HIGEDARUMA
    学習というのは、お手本と自分の動きを比べて、少しずつ直す答え合わせの繰り返しなんです。
    HIGEDARUMA
    最初にお試しで、この答え合わせを2000回だけ繰り返したら、ワニを全く叩こうとしなかったそうです。
    BANNO
    全く!やる気ゼロじゃないですか。
    HIGEDARUMA
    そこで本番は、答え合わせを4万回。計算の速いコンピューターを借りて、3時間ちょっとかかりました。
    HIGEDARUMA
    すると今度は、なんとかワニを叩いてくれたんです。
    BANNO
    やった!ロボットが、人の動きを覚えたんですね。
    HIGEDARUMA
    からあげさんは、動きが人間が悩んでいるような温かみがあってよい、と書いています。
    BANNO
    悩みながら叩くロボット。なんだか、かわいいですね。
    HIGEDARUMA
    しかも、カメラの位置を細かく合わせなくても、それっぽく動く。からあげさんは、未来を感じました、と言っています。
    BANNO
    2つの方法を比べると、どうなんですか?
    HIGEDARUMA
    目で見て決めた動きで叩く方法は、キビキビと正確です。お手本をまねる方法は、人みたいに迷いながら叩きます。
    HIGEDARUMA
    速さと正確さだけなら、決めた動きのほうが実用的だ、と記事にあります。
    BANNO
    そもそも、ロボットがワニワニパニックをする実用性って、あるんですか?
    HIGEDARUMA
    そこは作者さん自身が、どこに実用性があるのかは置いておくとして、とツッコんでいます。
    BANNO
    自分で言っちゃうんですね。でも、ビジネス目線だと、写真1枚でAIの目が育つのは大きいと思うんです。
    BANNO
    たとえばお店や工場で、何かを見分けるAIを使いたいとき、写真集めと印付けが一番の手間ですから。
    HIGEDARUMA
    そうなんですよ。ワニで試したやり方は、ほかの物にも使えます。遊びで試したことが、そのまま役に立つ知恵になるんです。
    HIGEDARUMA
    からあげさんも、数年前にはできなかったことがAIの進化でできるようになる、そこがAI開発の恐ろしさでもあり、面白さですね、と書いています。
    BANNO
    この作品は、Maker Faire Tokyo 2025にも出展されたんですよね。
    HIGEDARUMA
    はい。からあげさんのブログでは、Seeedさんのブースで実機を動かす、と告知されていました。
    HIGEDARUMA
    使った主な素材は3つ。AIを作る道具のPyTorch、AIを動かすJetson、そしてワニを遅くしたマイコンのXIAOです。
    BANNO
    作ったのは、からあげさんとmatsujirushiさんの2人です。
    HIGEDARUMA
    作品ページのストーリー欄には、ひとこと、気づいてたらできてた、とだけ書いてあるんです。
    BANNO
    かっこいい!でも中身は、壁を1つずつ越えた攻略記でしたね。
    BANNO
    今日できる、いちばん小さな一歩です。
    HIGEDARUMA
    身の回りの物を、スマホで1枚撮ってみてください。そして写真アプリで切り抜いて、別の写真に貼り付けてみるんです。
    HIGEDARUMA
    それが、今日のワニと同じ、AIの練習用写真づくりの第一歩なんですよ。
    BANNO
    続きが気になったら、からあげさんの2つの記事を開いてみてください。作り方が順番に書いてあって、コードも公開されています。
    BANNO
    身近なおもちゃが、AIを学ぶ一番の教材になるんですね。私も何か試したくなってきました。
    BANNO
    さて、今日紹介したのは、写真1枚で育てた目と、人のお手本で、ロボットがワニを叩く、AIワニワニパニックでした。
    HIGEDARUMA
    次回の作品でも、ゆっくりしていってね。

    クレジット

    紹介した作品
    AIワニワニパニック
    ライセンス: CC BY 4.0
    ※作品の画像・動画は、紹介のために切り抜き・編集して使用しています。
    声
    BANNO さんと HIGEDARUMA さんの録音をもとにした合成音声です。

    この動画の公開に問題がある場合は 取り下げを依頼してください。運営者が内容を確認し、取り下げることにした場合は非公開にします。

    あなたの作品も、動画で紹介します

    ProtoPedia の作品ページの URL を送るだけで、夜のうちに紹介動画に仕上げます。対象は CC BY 4.0 の作品です。

    動画をリクエストする