自分の体をAIのセンサーにして競馬に挑んだ「人間の生体デバイス化による第六感情報の検出と活用」|AIが選んだのは単勝約80倍の大穴
ProtoPedia の作品「人間の生体デバイス化による第六感情報の検出と活用」を2人のMCが初心者目線で紹介。作者が自分の体に汗・心電図・心拍の3つのセンサーを付けて「人間センサー」になり、ネット不要の小さなAIボード Solist-AI が「普段の自分」からのズレを数字にします。その実験として阪神競馬場へ。学習は4レース分だけ、AIが選んだのは単勝約80倍の大穴、そして1400メートル走った結末は。言葉にできない「なんか違う」を数字にする発想の面白さまで。
チャプター
0:00オープニング0:20AIで競馬を当てる装置?1:06AI様に気に入られたい2:08センサーは3つ:汗・心電図・脈3:4710レース目までは「普通」を学習6:382番、先頭!7:51普段を覚えて、「いつもと違う」を見つける9:39エンディング
文字起こし(90行)
- BANNO
- ゆっくりばんのです。
- HIGEDARUMA
- ゆっくりひげだるまです。
- BANNO
- 今日もProtoPediaから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
- HIGEDARUMA
- 今日紹介するのは、人間の生体デバイス化による、第六感情報の検出と活用。
- BANNO
- タイトルは硬いですね。でも画像には、AIで競馬を当てる装置、って書いてありますよ。
- HIGEDARUMA
- そうなんです。作者が自分の体にセンサーを付けて、AIに競馬の馬を選ばせたんです。
- BANNO
- えっ、自分が測られる側なんですか?
- HIGEDARUMA
- はい。しかも本当に競馬場へ行って、1万円賭けています。
- BANNO
- 結果がもう気になります!でも、それは後半のお楽しみですね。
- BANNO
- そもそも、なぜ自分をセンサーにしようと思ったんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- 作者いわく、近い将来、人間はAIに支配されちゃうかもしれない。
- HIGEDARUMA
- だから、AI様の役に立って気に入ってもらうために、人間生体デバイスになることを決意した、そうです。
- BANNO
- AI様!発想が斜め上すぎます。
- HIGEDARUMA
- さらに、せっかくなので、この装置で大儲けしたい、とも書いています。
- BANNO
- 正直でいいですね。でも、自分の体で何を測るんですか?
- HIGEDARUMA
- 人がなんとなく感じる、なんか違う、という感覚です。
- BANNO
- ありますね。この人、なんだか雰囲気が違うぞ、みたいな。
- HIGEDARUMA
- そうそう。でもその違和感は、温度計やカメラのような普通のセンサーでは、直接は測れないんですよ。
- HIGEDARUMA
- そこで、違和感を感じたときの体の変化を測る。つまり、人間そのものをセンサーにしたんです。
- BANNO
- 馬を測るんじゃなくて、馬を見た自分を測るんですね。
- BANNO
- 体には、何を付けるんですか?
- HIGEDARUMA
- センサーは3つです。1つめは汗のセンサー。緊張すると、手のひらがじわっと汗ばみますよね。
- HIGEDARUMA
- 2つめは、心臓が動くときの電気を測る、心電図のセンサー。3つめは、耳たぶに挟んで脈を数えるセンサーです。
- BANNO
- ドキッとしたら、汗も心臓も反応しそうですね。
- HIGEDARUMA
- その値を、画面付きの小さなマイコン、M5Stackが読み取って、0.5秒ごとにAIのボードへ送ります。
- BANNO
- AIのボードは、何をしているんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- ロームという会社のAIマイコン、Solist-AIです。ネットにつながずに、この小さな板だけで学習も判定もできるんですよ。
- BANNO
- 学習って、何を覚えさせるんですか?
- HIGEDARUMA
- 普段の自分、です。まず学習モードで、そのときの体の状態を、普通として覚えさせます。
- HIGEDARUMA
- 次に推論モードにすると、今の状態が普通からどれだけズレているかを、数字で返してくれるんです。
- BANNO
- 正解を教えるんじゃなくて、いつもと違う、を見つけるんですね。
- HIGEDARUMA
- まさにそれです。このズレ具合を、異常度と呼びます。
- HIGEDARUMA
- 異常度が過去最大を更新すると、スマホがブルッと震えて知らせてくれるんですよ。
- BANNO
- 馬を見ていて、ブルッときたら、その馬が怪しいと。
- HIGEDARUMA
- はい。モバイルバッテリーで動くので、競馬場にも持って行けます。
- BANNO
- 使った部品も、まとめておきますね。
- BANNO
- では、いよいよ競馬場です。どうやって馬を選ぶんですか?
- HIGEDARUMA
- 中央競馬では、1日のうち、だいたい11レース目に、強い馬が走るんです。
- HIGEDARUMA
- そこで、10レース目までは、レース前の馬を間近で見られるパドックで、体の反応を普通として学習します。
- HIGEDARUMA
- そして、11レースのパドックで、一番大きなズレが出た馬に、単勝で1万円賭けるんです。
- BANNO
- 単勝は、1着の馬を当てる馬券ですよね。強い馬の中でも、オーラが一番違う馬を、体に選ばせると。
- HIGEDARUMA
- そういうことです。ちなみに作者は、競馬は未経験。ビギナーズラックで行けちゃうんじゃないか、と書いています。
- BANNO
- ふふ、もう楽しいです。当日はどうだったんですか?
- HIGEDARUMA
- 9月19日、阪神競馬場です。朝6時に家を出て、開場の9時前に着きました。
- HIGEDARUMA
- トイレでセンサーを付けて、最初のレースのパドックで、無事に学習できたそうです。
- BANNO
- 順調ですね!
- HIGEDARUMA
- ところが、この日はかなりの暑さで、朝も早かった。作者はヘロヘロになって、ベンチで寝てしまったんです。
- BANNO
- えっ、寝ちゃったんですか!
- HIGEDARUMA
- 結局、学習できたのは、4レース分だけ。汗でセンサーが剥がれたり、ノイズが乗ったりもしたそうです。
- BANNO
- ノイズって、雑音みたいなものですか?
- HIGEDARUMA
- はい。体の変化とは関係ない、余計な揺れです。それでも作者は、しょうがないよね、まあいけるでしょ、と。
- BANNO
- 前向き!いよいよ、11レースのパドックですね。
- HIGEDARUMA
- 普段の異常度は、0.4くらいで落ち着いていました。
- HIGEDARUMA
- でも、馬がいないところで最大値が出たり、目の前に来ても反応しなかったり。作者は、企画倒れになる、と焦ったそうです。
- BANNO
- うわあ、ハラハラします。
- HIGEDARUMA
- その焦りもあってか、後半に何回か最大値を更新しました。まず、16番のシゲルソロソロで高い値。
- HIGEDARUMA
- 名前が面白いから、これでいいかなと思ったそうですが、その後、2番のトゥロンで一番の反応が出たんです。
- BANNO
- 体が選んだのは、2番。それで、倍率はどうだったんですか?
- HIGEDARUMA
- 単勝で、約80倍。大穴です。
- BANNO
- 80倍!1万円が当たったら、80万円ですよ!
- HIGEDARUMA
- 作者も、AI様、本当ですか、せいぜい10倍くらいにしておいた方が、と迷ったそうです。
- HIGEDARUMA
- でも、今日はAI様に従うと決めていた。なけなしの1万円で、2番の馬券を買いました。
- BANNO
- さあ、レースです!
- HIGEDARUMA
- 距離は1400メートル。スタートして最終コーナーを回ると、2番がいい位置にいるんです。
- HIGEDARUMA
- そして直線で、なんと、2番が先頭に立ちました!
- BANNO
- 来た来た!80万円!
- HIGEDARUMA
- 作者も、2番先頭、80万円、9番来ないで、と叫んでいます。
- HIGEDARUMA
- ところが、3頭がほぼ同時にゴール。その場では決まらず、写真判定になりました。
- BANNO
- 心臓に悪い!結果は……?
- HIGEDARUMA
- ハナ差で、2着でした。
- BANNO
- ハナ差って、どれくらいですか?
- HIGEDARUMA
- 馬の鼻先ほど、ほんの数センチです。1400メートル走って、数センチ足りなかったんです。
- BANNO
- 単勝は、1着だけが当たり。ということは、外れ……。ああ、80万円!
- HIGEDARUMA
- 作者も、AI様、話が違うよ、おぼえてろ、と書いています。
- HIGEDARUMA
- ちなみに、あのレースの最中が、ここ数年で一番、自分の中の異常値が出ていた、そうです。
- BANNO
- 一番ドキドキしたのは、作者自身だったんですね。
- BANNO
- 結局、第六感は当たっていたんでしょうか?
- HIGEDARUMA
- 正直に言うと、分かりません。作者も、本当に強い馬を見つけられたかは良く分からない、と書いています。
- HIGEDARUMA
- 学習は4レース分だけで、センサーもノイズまじり。1回の結果だけでは、当たり外れは言えないんです。
- BANNO
- それでも、体が選んだ馬が、一瞬でも先頭に立った。ちょっとワクワクしますね。
- HIGEDARUMA
- エンジニアとして面白いのは、普段を覚えさせて、いつもと違うを見つける、という作り方なんです。
- HIGEDARUMA
- 正解のデータを用意しなくていいので、機械の音や植物の様子など、身近な物にも同じ考え方が使えるんですよ。
- BANNO
- 言葉にできない、なんか違う、を数字にする。使い道がいろいろ想像できますね。
- BANNO
- 作ったのは、ptさん。ProtoPediaのメンバー欄には、生体デバイス、と書かれています。
- HIGEDARUMA
- この作品は、Solist-AIを使うコンテスト、ROHM EDGE HACK CHALLENGE 2026で、ファイナリストに選ばれています。
- BANNO
- 競馬場での一部始終が見られるデモ動画と、作品ページのリンクは、概要欄に置いておきますね。
- BANNO
- では、今日の一歩。スマートウォッチなどで心拍が測れる人は、ドキッとした瞬間の数字を見てみてください。
- HIGEDARUMA
- その前に、落ち着いているときの数字を知っておくのがコツです。普段が分かって初めて、いつもと違う、が見えるんですよ。
- BANNO
- さて、今日紹介したのは、自分の体をAIのセンサーにした作品、人間の生体デバイス化による、第六感情報の検出と活用でした。
- HIGEDARUMA
- 次回の作品でも、ゆっくりしていってね。
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