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思い出の場所を五文字に、五文字を歌に「和座標」|頭の文字を縦に読むと、場所が見つかる短歌

紹介した作品: 和座標 — 場所を五文字で表し、歌につなぐ

ProtoPedia の作品「和座標 — 場所を五文字で表し、歌につなぐ」を2人のMCが初心者目線で紹介。地図のピンを送れば場所は伝わりますが、「なぜその場所が大切か」までは渡せません。和座標は、地図の上の場所に自分で選んだ五文字の言葉を付け、その五文字を各行の頭に置いた短歌(折句)を残せる Web サービスです。歌として読めば景色が伝わり、頭の文字を拾えば地図でその場所が探せる。AI は五文字や歌の候補を出すだけで、言葉を選ぶのは人。一度付けた五文字は付け替えない設計や、半年前に作った「日本語5文字の座標」から育った背景まで。

チャプター

文字起こし(75行)
BANNO
ゆっくりばんのです。
HIGEDARUMA
ゆっくりひげだるまです。
BANNO
今日もプロトペディアから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
HIGEDARUMA
今日紹介するのは、和座標。場所を五文字で表し、歌につなぐ。
BANNO
場所を五文字で?しかも歌に?ちょっと想像がつかないですね。
HIGEDARUMA
地図の上の思い出の場所に、五文字の言葉を名札みたいに付けるんです。
HIGEDARUMA
そして、その五文字を使って短歌を残せる。そういうウェブサービスなんですよ。
BANNO
作ったのは、ひでさん。前にこの番組で紹介した、地域の三選図鑑の作者さんですね。
BANNO
みなさん、思い出の場所ってありますよね。
BANNO
初めて誰かと待ち合わせた場所とか、子どもと何度も歩いた川沿いとか。
HIGEDARUMA
ありますね。でも、その場所を人に伝えるとき、どうしてます?
BANNO
地図アプリでピンを送っちゃいますね。それで場所は伝わりますし。
HIGEDARUMA
そう、場所は伝わるんです。でも、なぜそこが大切なのかは、ピンには乗らないんですよね。
HIGEDARUMA
作者のひでさんも、住所を伝えれば場所はわかる、でも大切に思う理由まで渡せるだろうか、と書いているんです。
BANNO
たしかに。ピンだけ届いても、ただの点ですもんね。
HIGEDARUMA
そこで和座標は、場所に言葉を残して、その言葉を読んだ誰かが、もう一度そこへ向かう。そんな体験を目指しているんです。
BANNO
じゃあ実際に、どんな歌が残っているんですか?
HIGEDARUMA
アプリの画面に載っている歌を、一行ずつ読んでみますね。
HIGEDARUMA
史跡めく、村雲のごと、町屋根に。
HIGEDARUMA
森の色差す、林の陰に。
BANNO
古い町並みに、雲がかかって、森の影が落ちている。景色が浮かびますね。
HIGEDARUMA
では、各行の一文字目だけを、上から縦に読んでみてください。
BANNO
えーっと、史、村、町、森、林。あっ、これがその場所の五文字なんですか!
HIGEDARUMA
そうなんです。こういう歌を、おりく、と言います。
HIGEDARUMA
各行の頭の文字を縦に読むと、言葉が隠れている歌。あいうえお作文の短歌版ですね。
BANNO
あいうえお作文なら、学校でやりました。それの、五七五七七版なんですね。
HIGEDARUMA
はい。歌として読めば、その人が見た景色が伝わる。頭の文字を拾えば、地図でその場所が探せるんです。
BANNO
一首で二役なんですね。歌を読んだ人が、そのまま場所を訪ねられる。
HIGEDARUMA
しかも五文字なら、手紙の一節にも、旅のメモにも、本のしおりにも書けますよね。
BANNO
紙で受け取った五文字から、地図を開いて会いに行ける。ロマンがありますね。
BANNO
使い方は、どんな流れなんですか?
HIGEDARUMA
まず、地図で気になる場所をタップします。すると、まわりに付いた五文字と、公開された歌が読めるんです。五文字で検索もできますよ。
BANNO
自分で五文字を付けたいときは?
HIGEDARUMA
場所を選んで、ひらがなや簡単な漢字で五文字を登録します。半径1キロ以内にまだ登録が無ければ、新しく付けられるんです。
BANNO
でも、いきなり五文字って言われても、なかなか浮かばない気がします。
HIGEDARUMA
そこでAIの出番です。その場所の地形や地域の特徴から、五文字の候補を出してくれるんですよ。
HIGEDARUMA
歌も同じです。その場所で撮った写真と五文字を渡すと、写真の景色や季節を読み取って、短歌の候補を作ってくれます。
BANNO
えっ、じゃあAIが全部作っちゃうんですか?
HIGEDARUMA
そこがこの作品の大事なところで。AIは候補を出すだけで、勝手には登録しないんです。
HIGEDARUMA
選ぶのも、ここは自分の言葉にしたいと直すのも、人。作者は、言葉を選ぶのは人、と書いています。
BANNO
AIは、迷ったときのきっかけ係なんですね。最後に決めるのは自分。それなら愛着もわきます。
HIGEDARUMA
それと、同じ場所に五文字をいくつも付けられるんです。
BANNO
ある人には家族との散歩道、別の人には新しい生活を始めた街。一つの場所に、人の数だけ意味が重なるんですね。
BANNO
ひげだるまさん、裏側はどうなっているんですか?
HIGEDARUMA
画面はSvelteKitで作ったWebアプリで、地図はLeafletという地図を表示する部品です。スマホでもパソコンでも、ブラウザだけで使えます。
HIGEDARUMA
データを預かるサーバーはCloudflare、五文字や歌の候補はOpenAIのAIに頼んでいます。
BANNO
五文字は、地図のどのくらいの広さに付くんですか?
HIGEDARUMA
日本の地図を細かいマス目に区切った、9次地域メッシュという単位なんです。1マスは、だいたい15メートル四方です。
BANNO
15メートル四方なら、公園のベンチのあたり、くらいの細かさですね。
HIGEDARUMA
もう一つ、僕が好きな設計があって。一度付けた五文字は、あとから別の場所に付け替えられないんです。
BANNO
え、不便じゃないですか?
HIGEDARUMA
紙に書いた五文字が、何年たっても同じ場所を指すようにするためなんです。意味を変えたいときは、書き換えずに新しい五文字を足します。
BANNO
なるほど。手紙を十年後に開いても、ちゃんと同じ場所にたどり着けるんですね。
BANNO
それにしても、どうして五文字なんでしょう?
HIGEDARUMA
実はひでさん、半年前の2026年3月に、日本語5文字で位置を表す座標という作品を出しているんです。
HIGEDARUMA
緯度と経度は正確だけど、数字の羅列で覚えられない。住所は分かりやすいけど、書き方がばらばら。そこが出発点でした。
HIGEDARUMA
そこで、ひらがな44字と漢字44字の、88種類の文字を5つ並べる。それで、およそ52億通りの場所を言い分けられるんです。
BANNO
52億通り!五文字だけで、そんなに表せるんですね。
HIGEDARUMA
その仕組みは誰でも使える形で公開されていて。しかも当時から、場所を示すコードを、場所を感じる言葉へ、と書いていたんです。
BANNO
半年かけて、その言葉の夢を、歌まで連れてきたんですね。
HIGEDARUMA
以前にも、折句を使った旅の作品を作っているんですよ。言葉と場所へのこだわりが、ずっと一本の線でつながっているんです。
BANNO
使い道として、ひでさんはこんな場面を思い描いているそうです。
BANNO
旅先の歌を友だちに渡して、友だちがその場所を訪ね、今度は自分の歌を残す。
BANNO
家族の思い出を、何年か後の子どもに渡す。商店街のお店ごとの歌で、いつもの街角で足を止めてもらう。
HIGEDARUMA
まだ開発中で、これから街で確かめたいことだそうです。五文字を人から人へ渡したとき、新しい物語や行動は生まれるのか。
BANNO
その答えを作るのは、使う私たち、なんですね。
HIGEDARUMA
使われている道具は、この6つです。
HIGEDARUMA
地図も、サーバーも、AIも、借りられるものは借りて、1人で形にしている。個人開発のお手本みたいな組み立てなんです。
BANNO
作者は、ひでさん。
BANNO
今日できる、いちばん小さな一歩です。
BANNO
和座標のサイトを開いて、いつもの散歩道を、ひとつタップしてみてください。
HIGEDARUMA
まわりの歌をのぞいたら、次は、あなたの思い出の場所に付ける五文字を、ひとつ考えてみてください。
BANNO
私なら、どこにしようかな。考えるだけで、ちょっと胸があたたかくなりますね。
BANNO
さて、今日紹介したのは、場所を五文字で表し、歌につなぐ、和座標でした。
HIGEDARUMA
次回の作品でも、ゆっくりしていってね。

クレジット

紹介した作品
和座標 — 場所を五文字で表し、歌につなぐ
作者: ひで
ライセンス: CC BY 4.0
※作品の画像・動画は、紹介のために切り抜き・編集して使用しています。
声
BANNO さんと HIGEDARUMA さんの録音をもとにした合成音声です。

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