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一歩ごとに音と光が返ってくる靴「歩行リハビリエンタメシステム Melody Shoes」|歩けない息子のために父が作った

紹介した作品: 歩行リハビリエンタメシステム Melody ShoesProtoPedia での反響: 閲覧 4,700+ ・ ♥ 30

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歩行リハビリエンタメシステム Melody Shoes

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    ProtoPedia の作品「歩行リハビリエンタメシステム Melody Shoes」を2人のMCが初心者目線で紹介。生まれてから一度も歩いたことがない息子さんのために、お父さんエンジニアが作った、一歩踏み出すたびに大好きな音楽・光・振動が返ってくるリハビリ用の仕掛けです。歩く楽しさの記憶がない子にとってリハビリがつらい理由、5台作ってやっと見つけた答え、左右交互に歩くと音楽が進むルールの工夫、そして足踏みをキーボードの入力に変えてゲームやロボットとつなぐ広がりまで。

    チャプター

    文字起こし(74行)
    BANNO
    ゆっくりばんのです。
    HIGEDARUMA
    ゆっくりひげだるまです。
    BANNO
    今日もProtoPediaから、とびきり面白い作品を紹介していきますよ。
    HIGEDARUMA
    今日紹介するのは、歩行リハビリエンタメシステム、Melody Shoes。
    BANNO
    メロディシューズ。名前からして、音が鳴る靴ですか?
    HIGEDARUMA
    そうなんです。一歩踏み出すたびに、大好きな音楽と光と振動が返ってくるんですよ。
    HIGEDARUMA
    作ったのは、歩けない息子さんのために電子工作を続けてきた、お父さんエンジニアです。
    BANNO
    歩く練習を、子どもが自分からやりたくなる。今日はその仕掛けの話ですね。
    BANNO
    そもそも、息子さんはどんな状況だったんですか?
    HIGEDARUMA
    生まれてすぐ、脳性まひと診断されたんです。体を思うように動かしにくい障害ですね。
    HIGEDARUMA
    6歳の時点でも、ひとりで座ったり立ったりするのが難しかったそうです。
    BANNO
    それで、歩くリハビリをしていたんですね。
    HIGEDARUMA
    はい。でも、息子さんにとってリハビリは、ただつらいだけの時間だったんです。
    BANNO
    うーん。でもリハビリって、また歩けるようになりたい、で頑張るものじゃないですか?
    HIGEDARUMA
    そこなんです。お年寄りやケガをした人なら、昔みたいに歩きたい、が理由になりますよね。
    HIGEDARUMA
    でも息子さんは、一度も歩いたことがない。歩けると楽しい、という記憶そのものがないんですよ。
    BANNO
    あっ…知らない楽しさのために頑張るのは、大人でも難しいですね。
    HIGEDARUMA
    実際、歩行器に乗せるだけで嫌がって、離れようとしていたそうです。
    HIGEDARUMA
    作者は、こう考えたんです。やりたくなければ、やりたくなる仕組みをつけていこう、と。
    BANNO
    頑張らせるんじゃなくて、やりたくさせる。発想がまるごと逆なんですね。
    HIGEDARUMA
    歩くたびに大好きなものが返ってくれば、それが楽しみで、自分から足を出すんじゃないか。そう考えたんです。
    BANNO
    でも、何が好きかって、言葉で聞くのは難しいですよね。
    HIGEDARUMA
    だから、作っては履いてもらって、反応を見る。これを、5台目まで繰り返したんです。
    HIGEDARUMA
    1台目は、踏むと音が鳴るだけ。線は足に絡まるし、どこで鳴っているかも分からなくて、反応はほとんど無かったんです。
    HIGEDARUMA
    転機は2台目です。小学1年生の娘さんと2人で、段ボール工作のゲーム、ニンテンドーラボで試しに作ったんです。
    BANNO
    娘さんも一緒に!それで、どうだったんですか?
    HIGEDARUMA
    息子さんの反応がすごく良くて。ここで、光と振動が大事だ、と気づいたんです。
    BANNO
    じゃあ、靴を光らせれば解決ですね。
    HIGEDARUMA
    それが、靴を光らせたら、光を見ようとして下ばかり向いちゃったんです。前に置いた小さな画面にも、見向きもしない。
    BANNO
    あっ、それだと前に進めない!
    HIGEDARUMA
    そして5台目。歩行器の前いっぱいに、光るLEDの棒を付けたんです。
    HIGEDARUMA
    これに、ついに息子さんが食いついたんですよ。
    BANNO
    やった!前を向いたまま光が見られるから、ですね。
    HIGEDARUMA
    リハビリのたびに毎回使って、3か月。不器用ながらも左右交互に足を出して、少しずつ前に進めるようになったんです。
    HIGEDARUMA
    作者は、わずか数歩だけど、作り手の願いが現実になった瞬間、父ちゃん、嬉しいよ、と書いています。
    BANNO
    …その数歩、すごく大きな数歩ですね。
    BANNO
    ここで仕組みを教えてください。足を踏んだって、どうやって分かるんですか?
    HIGEDARUMA
    足の裏に、踏まれる力を感じ取る薄いシートを付けます。感圧センサーと呼ばれる部品です。
    HIGEDARUMA
    踏んだら、手のひらサイズの小さなコンピューター、ESP32が判断して、音楽と光と振動を返すんです。
    BANNO
    踏む、気づく、返す。流れはシンプルなんですね。振動はどこで鳴るんですか?
    HIGEDARUMA
    センサーの上に振動するモーターを重ねてあるので、踏んだ瞬間に足の裏がブルッとするんです。
    HIGEDARUMA
    さらに、ルールにも工夫があるんですよ。
    HIGEDARUMA
    左右交互に踏むと音楽が先へ進む。でも片足ばかり続けて踏むと、失敗の音が鳴るんです。
    BANNO
    遊んでいるうちに、交互に歩く感覚が身につくわけですね。ゲームみたい!
    HIGEDARUMA
    それから、長く歩くと線が引っかかるので、足に付ける部分は無線に。安全のため、充電池を避けて単四電池2本で動かしています。
    BANNO
    足にセンサーを付けるのが、苦手な子もいそうですけど。
    HIGEDARUMA
    そこも考えてあって、足の検出の仕方は4種類。足に付けられない子なら、歩行器の揺れで歩いたことを見つけます。
    BANNO
    その子に合わせて選べるんですね。リハビリの先生にも使いやすいんでしょうか?
    HIGEDARUMA
    リハビリの先生と一緒に、使っては直すを繰り返したんです。踏む強さの感度はつまみで調整、曲はパソコンでファイルを入れ替えるだけ。
    BANNO
    プログラムが分からない先生でも、子どもを待たせずに調整できる。現場目線ですね。
    HIGEDARUMA
    使った部品は、ESP32、M5StickC Plus、M5Stamp。どれもネットで買えます。
    BANNO
    息子さんは、その後どうなったんですか?
    HIGEDARUMA
    2020年以降は、この装置を使わなくても、歩行リハビリに取り組めるようになったそうです。
    BANNO
    靴を卒業!すごい。じゃあ、Melody Shoesの役目も終わり、ですか?
    HIGEDARUMA
    それが、リハビリの現場や支援学校から、使いたいという声が届いて、2022年11月に新しい版を作りました。
    BANNO
    息子さんのための道具が、ほかの子どもたちへ。広がっていくんですね。
    HIGEDARUMA
    ただ、いろんな子に使ってもらって分かったのが、刺さるものは、10人いれば10人とも違う、ということなんです。
    BANNO
    確かに。光より電車が好き、ゲームが好き、って子もいますよね。
    HIGEDARUMA
    そこで、本体がキーボードのふりをする機能を足したんです。左足を踏むとスペースキー、みたいに。
    BANNO
    足踏みが、キーを押したことになる?それで何ができるんですか?
    HIGEDARUMA
    キーで動くものなら、何とでもつながるんです。歩くたびに、改造したロボットのおもちゃが一緒に前に進んだり。
    HIGEDARUMA
    iPadの、ボタンひとつで画面を操作できる機能を使えば、お店で売っているゲームアプリも足踏みで遊べます。
    BANNO
    その子の大好きなゲームが、そのままリハビリになるんですね!
    BANNO
    作ったのは、おぎ-モトキさん。家族のためのモノづくりを続けている、お父さんエンジニアです。
    HIGEDARUMA
    作者は、息子のために作った技術が、同じような子どもたちや家族の役に立てば嬉しい、と書いています。
    BANNO
    コンテストでも評価されたんですよね。
    HIGEDARUMA
    はい。ヒーローズ・リーグ2022でCIVICTECH賞、M5Stackのコンテスト2023で研究アイデア賞をもらっています。
    BANNO
    作者のブログやデモ動画のリンクは、概要欄に置いておきますね。
    BANNO
    では、今日の一歩。自分や家族の、続かないことをひとつ思い浮かべてください。
    BANNO
    そこに、その人の大好きなごほうびを、ひとつだけ足してみる。好きな曲を流す、とかで十分です。
    HIGEDARUMA
    もう一歩いくなら、iPadの設定のアクセシビリティから、スイッチコントロールをのぞいてみてください。
    HIGEDARUMA
    ボタンひとつで、こんなに操作できるのかと驚きますよ。
    BANNO
    さて、今日紹介したのは、歩くたびに大好きが返ってくる靴、歩行リハビリエンタメシステム、Melody Shoesでした。
    HIGEDARUMA
    次回の作品でも、ゆっくりしていってね。

    クレジット

    紹介した作品
    歩行リハビリエンタメシステム Melody Shoes
    ライセンス: CC BY 4.0
    ※作品の画像・動画は、紹介のために切り抜き・編集して使用しています。
    声
    BANNO さんと HIGEDARUMA さんの録音をもとにした合成音声です。

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